2022年11月の善き牧者の学校
(東京)田園調布雙葉中学高等学校
記念講堂のステンドグラス・聖堂・マリア像

カトリックのあれこれ

列福、列聖について

 カトリック教会の中には、教会固有の教会の暦(こよみ)があります。毎年移動するご復活祭(イースター)や、固定しているクリスマスは、よく知られていますが、その他、聖人や福者(つまり、聖人の位、福者の位に上げられた人)たちの祝日もあり、ミサ(聖体祭儀)の中でお祝いしています。

 聖人や福者とは、それぞれの位に上げられた人を指して言われますが、どのようにして列福、列聖されるのかをお話します。

 まず、列福、そして列聖は、キリスト者として殉教を遂げた方、または敬虔な生涯を送られたゆえに、崇敬を受けるに値する人の列に加わることを言います。
 福者(列福された人)と呼ばれる人は、聖人(列聖された人)にあげられた人のその前列の位の人を指して、こう呼ばれます。

 聖人の位には、殉教者(赤のバラを飾る)と証聖者(白のバラを飾る)がおられます。
 殉教者については、既にシリーズでお話しましたように、最後までキリストの苦しみを自分の苦しみとして「信じ」ぬいた人たちです。そして証聖者とは、殉教していませんが、イエス・キリストをご自身の生涯を通して証しされた人たちです。キリスト者になったから誰でも成れるというわけではありません。しかし、絶対になれないことでもありません。キリスト者であれば誰でもなれる権利を持っています。

 そこで先ず、福者や聖人になるためには、どのようなプロセスで審査が行われるのかを調べました。最初に調査手順があって、それが決められてから動き始めます。

  1. 調査申請:ある人が亡くなり、"この人は聖人だった、教会で公に聖人として認めて欲しい"と願う人や団体は、その願いをバチカンの教皇庁列聖省(以前は典礼聖省)に届け出ます。列聖省には、全世界中から申請書が提出されており、それらを調べ、列聖の前段階である列福に、その人が値する人であるかどうかを調査します。"正式に調査を始める"と決まった人は、列聖省が「今からこの人の調査を開始します」と宣言したときから、申請された人は「神のしもべ・神のしもめ」と呼ばれるようになります。
  2. 調査第一段階:列聖調査の管轄権は、通常、聖人だと思われる人が亡くなった場所の教区司教です。当該教区司教は、必要な書類をそろえて列聖省に提出(これは大変な作業です)します。細かい生涯の記録、証言等など。音声、ビデオ、映像など、その申請した方は①活躍した地方で尊敬されているかどうか、②多くの人がその人に取り次ぎを求めて祈ったりしているかどうか、③その人を知っている人が現存しているか、④その証言は等など。と沢山の証拠書類の提出を求められます。
  3. 調査第二段階に入りますと→提出された書類だけでなく、現地調査も行われます。先ず、お墓とご遺体の調査から始まります。この調査が終わった段階で申請された人は「尊者」と特別な尊称を受けます。
  4. 必須項目として欠かせないこと:「奇跡」について
    *殉教者の場合:列福のためには"奇跡があったかなかったか"は必要ありません。しかし、列聖のためには、その"当該人の取り次ぎによって引き起こされた一つの奇跡"が必要になります。
    *証聖者の場合:列福においても、列聖においても"奇跡が必要"とされています。 "奇跡"については医学的調査、その他種々の調査が実施されていますので、列聖省には医事委員会、歴史委員会、神学委員会があり、そこを経て列聖省委員会にかけられます。
  5. 調査第三段階に入りますと:列聖省の専門委員会に、ポストラトール(申請者代理人)をとおして申請の準備を行います。その後、列聖省枢機卿委員会の会議での審議をうけます。
  6. 最終審査は、現教皇に委ねられています。教皇が「列福の教令」、「列聖の教令」にサインされたとき承認されたことになります。
 

 以上が、列福、そして列聖のために必要な手続きとなります。
 注目すべき点は、これらの手続きには、2.の調査第一段階で記しましたように、膨大な資料作成のために幾人もの協力者、証言などが必要とされるため、何年も長い時間をかけて綿密に資料が作成されるのです。

 もし、あなたが教区から資料調査の為に依頼を受けた場合、寛大なお気持ちでご協力してくださるようお願いします。

心のともしび運動  松村信也