(三重)四日市メリノール学院
ホールのステンドグラスと聖堂
本来、教会での結婚式は"信者同士"で行われるものでした。しかし、カトリック信者の少ない日本では、信者同士の結婚式はごく稀であり、大半は信者と未信者の結婚式が多いのです。その為に、日本の典礼委員会は、司教団と相談しヴァチカンの典礼省に"信者と未信者"の結婚式を教会で出来るよう請願した結果、承認されました。但し、条件として信者・未信者の結婚式は、秘跡ではなく祝福式ということ。またその場合、未信者側から "約束書" の承諾をもとに許可することになっています。その内容は、➀カトリックの信仰を常に忠実に守ること(未信者の方は信者の信仰を遵守)。➁生まれてくるすべての子どもが、カトリック教会で洗礼を受け、信仰教育されるよう最善の努力をすること。この約束書と婚姻障害免除書(異宗婚の障害を免除)の提出を必要としています。
さらに日本では、未信者同士の結婚式の申し込みが1980年代に入り全国的に殺到しました。そこで日本の司教団は、福音宣教の一環として未信者同士の結婚式も出来るようヴァチカンの典礼省に申請した結果、特別に、挙式までにキリスト教の基礎知識も含めた講座を受講することを条件として、教会での挙式の許可を受諾しました。これが現在も各小教区内で行われている結婚セミナーであります。勿論、この結婚セミナーには信者、未信者を問わず教会で挙式するものすべて受講する義務があります。当然のこととして、信者同士の結婚式は秘跡となり、信者・未信者、未信者同士は祝福式となりますが、いずれも神様からの大いなる祝福の恵みに与る挙式として実施しています。
婚姻の秘跡
この秘跡は、他の秘跡と異なり、日常生活のあらゆる側面、つまり、人間関係と社会的責任、経済、感情、性などを一つにします。婚姻は、「生活と愛の深い共同体」であり、「配偶者が互いに自分を与え、受ける」と言われます。「婚姻の秘跡によって配偶者に出会い、キリストが教会を愛して自分を教会のために渡したように、キリストが彼らのもとに留まる。真正な夫婦愛は神的な愛の中に取り上げられる」。「婚姻制度と夫婦愛とは、子どもの出産と教育に向けて定められている」と教えています。
キリスト信者同士の婚姻の誓約は、イエス・キリストによって秘跡の尊厳にまで高められ、信徒にとって結婚は特別な秘跡であります。
心のともしび運動 松村信也