(青森)青森明の星中学校・高等学校
校舎(正面玄関)と「聖母の部屋」
(ステンドグラスはカナダ本部旧聖堂のもの)
特に現代人へのメッセージとして、次の殉教者たちの生き方からのメッセージを記します。
A) 迫害という困難な状況の中で勇気を持って、司祭不在の教会の中、他の信者に対して世話をしたり、励ましたり、また夫婦においては互いに支え合い、励まし合う、模範とも言うべき夫婦の愛と、子どもたちに対する父親としての威厳と子に対する尊厳の心を持ち合わせた八代の殉教者ヨハネ。 父母を敬う心
B) 我が子に信仰を伝えた父と、その父の信仰を励ましとして感謝を口にする子の姿は、現代の親子のあり方を問いかける。島原・雲仙の殉教者。 感謝する心
C) 薩摩のレオ税所は、物静かで潔く、勇気ある人としてあげられる。彼の夫婦の信頼関係はもとより子どもに対する理解と信頼、自らの模範において父としての示し、子に自分で選択肢を与えるという、現代の父親像の模範とも言うべき人である。 信頼する心
D) 有馬の殉教者たちにあっては、迫害のときであっても貧しい人、病気の人々に対しても組織されたミセリコルディア(慈悲)の会にあって、医療行為、福祉活動を止めることなく人々の痛み、苦しみ、悲しみを享受すると共にキリストのみ言葉による癒しを与えた。この様な組織化された共同体の謙遜で素朴な活動を現代にも広く沢山組織したい。 奉仕する心
E) 年老いた殉教者たちにあっては、決して高齢だからと言った言葉は言わないで、自分に出来ることを喜んでそれに集中し、自分の使命を勇気を持って貫いた天草の殉教者・アダム荒川。 いつも喜んで働く心
F) 一時は徳川家康の筆頭警護役であった江戸のヨハネ原主水(はらもんど)。信仰を捨てないことから、全てを失う。ただ失っただけでなく不自由な身体にさせられる。華々しい栄光から、人間の弱さ、悲哀を味わった原主水は、そのどん底から十字架の道に光を見いだしていく彼の姿は、将来に希望を見いだせない現代の若者たちへの深いメッセージではないのか。 希望を棄てない心
殉教者たちの残された言動から想起させられるのは、モーセが神から受けた"掟"であり、そしてイエスの話された最も大切な掟の言葉一つひとつが含蓄されている事です。いつの時代にあっても、どんな国の人であっても、人間の集まる共同体において決して忘れてはいけない大切な事を、殉教者たちは彼らの生きた証として、のちの世の人へ伝えているのです。
心のともしび運動 松村信也