カトリック六甲教会(兵庫県 神戸市)
⑤信徒使徒職の新たな姿勢&現実の障害とその対策−1
新たな時代に向けて福音宣教していくためには、どうすれば信徒と聖職者が、時代を担う宣教を果たすために、お互いを刷新することができるだろうか。それはまず立場と職務の変革であり、その再発見における基準に次の3つのことが考えられるでしょう。
①人間の救い(特に貧しい人々・苦しみ悩んでいる人々)という使命・要求に応えること。
②啓示に忠実であること。
③普遍的な教導職、特に第二バチカン公会議の精神に忠実であること。
これら3つの基準に導かれ福音的刷新を企画するとき、聖職者と信徒の内的関係や互いの立場と職務とは、自然に論理的な変革を強いられる事になるでしょう。
現在に至るまで教会における信徒の立場と職務は、聖職者によって決定され、現場からの要請ではなく、具体的事実を度外視した遠く離れた権威団体によって、従順な信徒に命ぜられてきたのではないでしょうか。現在カトリック教会は、現実のただ中でキリストの救いの価値を真に受肉させるべきことが、すでに明らかになっているのではないでしょうか。
その現実とは、宗教的・文化的な豊かさと貧しさの状況として明らかにされてきました。もし、この現実に対して、対話・文化的受肉・社会的解放などによって応えなければ、日本において明日の新しい教会の姿を見ることは出来ないでしょう。教会の使命は、新しい国作りを開始し、人類全体の救いの秘跡として奉仕することであり、それは、啓示および教導職に対して忠実にならなければならないでしょう。そして第二バチカン公会議の精神には、私たち日本の教会を日本化し、福音化するよう推奨し、一つの協力的な民として機動性を持つことも示唆しているのです。
そこで、現在日本の教会において刷新していくとき、問題としてあげられるs障害の実体と、どの様に変革すれば良いのか、その対策を見ることにします。
第二バチカン公会議は、教会史上新しい出来事として「信徒の身分と立場」を明確化しました。この、信徒の正当な立場と役割を実現していくためには、現在の教会の中でいくつか妨げとなっているものを、より良く改善していく必要性があるでしょう。この実施において多少の犠牲を払うことは、やむを得ないでしょう。しかし、逆に断固反対する者に対して同調・妥協するようなことになれば、それはまた形だけの変革となり、実体の伴わない、旧態依然とした構造を引きずっていくことになるでしょう。
その妨げとなる従来からの課題と、より良い改善とはなんでしょうか、次回、考えて参りましょう。
心のともしび運動 松村信也sj