そのとき、イエスは十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の挨を払い落としなさい。」十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。
イエスは、「持ち物は『杖』(獣や蛇を追い出すため)1本の他は何も持たず、・・・ただ履物(荒れ野で足を守るため)を履くように、・・・」と言われました。イエスは弟子たちに、必要なものは神が準備してくださるから安心して出かけなさいということを教えられたのでしょう。
派遣の目的は人々を「悔い改めさせる」ためでした。ところが、イエスの御心への無理解という点を見る限り、先ず「悔い改め」が必要なのは弟子たちであることが分かります。そのような弟子たちに、イエスは人々の悔い改めという使命を与えられました。神のお考えは、私たちの考える「イエスの御心を理解できた→派遣される」という順ではなく、「まず派遣され宣教する→イエスの御心を知ることができる」という順なのです。
祈りましょう。
ともすれば、神様に呼ばれても、「私には〇〇がないから」と尻込みしがちな私たちです。主の呼びかけに応えて、主の力に依り頼んで、遣わされることができますように。 アーメン。
参考:(第一朗読:アモス7・12-15)・(第二朗読:エフェソ1・3-14)