そのとき、十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
マタイ福音書の最後の部分です。復活されたイエスは弟子たちに、世界中に出かけて行き、あらゆる国の「すべての民を弟子にしなさい」「あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい」とお命じになりました。
ゲッセマネの園でイエスが捕らえられたとき、「弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまいました」(マタイ26・56)。ところがイエスは「世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」と約束してくださったのです。イエスのこの言葉に、弟子たちはどれほど慰められ、励ましを受けたことでしょう。
復活されたイエスに出会い、ひれ伏した弟子たちの中に「疑う者もいた」と記されています。
"some of them doubted" すなわち、11名の弟子たちの内数名は、イエスのお姿を目で確かめながらも信じられないでいたと記されているのです。疑う弟子たちに対して、イエスは「近寄って」くださり、「世の終わりまで共にいる」とおっしゃってくださいました。
湖の上を歩くペトロが怖くなって助けを求めたとき、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」とたしなめながらも手を伸ばして助けてくださった場面(マタイ14・31)が重なって見えてきます。
祈りましょう。
「あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」
イエスのこの約束に励ましと勇気をいただいて、日々の生活を通して、宣教に携わっていくことができますように。 アーメン。
参考:(第一朗読:申命記4・32-34、39-40)・(第二朗読:ローマ8・14-17)