2022年06月04日の聖書の言葉

6月5日 聖霊降臨の主日 ヨハネ14:15−16,23b-26

 そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。
 わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。
 わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」

み言葉の分かち合い

み言葉の分かち合い

 今日の聖霊降臨の祭日は、イエス・キリストがご復活されて50日目となります。ユダヤ教では、この日をπεντηκοστη(ギ)ペンテコステ・五旬祭pentecoste(ラ)と呼称する三大祝祭の一つで、過越祭の後、五十日目に穀物の収穫に対する感謝祭です。

 さてユダヤ教で言われるこの五旬祭の日に、イエスの弟子たちはエルサレムに戻り、ペトロを頭に120人程集っていました。それは12使徒の一人ユダの裏切りによって、欠員の使徒を補充し任務を継がせる後任選びの為でした(使徒1:15−26)。そこに集まった弟子たち120人の上に突如「炎のような舌が・・・一人一人の上にとどまり、一同は聖霊に満たされた」(使徒2:1-4)と使徒言行録は、聖霊降臨の様子を具体的に記述しています。

 イエスは、聖霊のことについて詳しく弟子たちに説明します。また私たちがこの箇所を読むとき、復活したイエスから宣教していた当時のイエスの言動を思い起こすと、どれほど弟子たちを愛していたかを、改めて確認できます。と同時にその同じ愛が、延長線上に生かさせて頂く私たちにも注がれていることを味わいながら今日、もう一度確認していきましょう。

 イエスは、世を去る前に弟子たちに"自分は去っていくが、代わりに聖霊を送る"と「約束」されました。この「約束」がヨハネ福音書には、5回繰り返されています。①真理の霊の派遣(ヨハネ14:16−17)②父から遣わされる聖霊(14:26)③イエスについて証しする(15:26−27)④弟子たちの心に与える確証(16:7b-11)⑤弟子たちを真理の霊に導く(16:12−13)と。この五回の約束のうちの二つが、今日の福音で話されます。

 今日の福音箇所で不思議な表現があります。イエスは弟子たちの為にわざわざ父にお願いをされます「父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる」と。しかし"別の弁護者"とは、一体誰なのでしょうか?先ず、弁護者をギリシャ語ではパラクレートスπαρακλητοσ「側へ助けるために呼び寄せられた者」と言っています。つまり、援助・支援・保護するために呼ばれた人をもう一人遣わされるということです。それが誰なのかが、ヨハネの手紙一2章1節に明記しています。「私の子達よ、これらのことを書くのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。たとえ罪を犯したとしても、御父のもとに弁護者、正しい方、イエス・キリストがおられます」。つまり"もう一人の弁護者"とは、父のもとに戻られたイエスご自身のことを指して言われているのです(聖書学者雨宮師)。「弁護者、すなわち、父が私の名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、私が話したことをことごとく思い起こさせてくださる」。何故なら「この弁護者は、イエスの名によって遣わされる聖霊」だからです。イエスが父の元に戻られた後のこの世界には、神とイエスから発出される聖霊が弟子たちを、そして私たちをいつも導いてくださるのです。

 イエスを愛するもの、イエスの教えを守るものは、神から愛され、いつも神とイエスが共にいてくださることを今日、改めて心に刻みつけましょう。神に感謝

参考:(第一朗読:使徒言行録2・1ー11)・(第二朗読:ローマ8・8ー17△一コリント12・3bー7、12-13)