2021年12月31日の聖書の言葉

1月1日 神の母聖マリア(ルカ2:16-21)

 そのとき、羊飼いたちは、急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。その光景を見て、彼らは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

 八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

み言葉の分かち合い

み言葉の分かち合い

 2022年1月1日のみ言葉は、イエスの誕生を天使たちによって知らされた羊飼いたちの、その後の行動について話されます。まず、羊飼いたちは天使たちが話したその出来事を確かめるため、その場所を探す彼らの行動から始まります。

 天使の言葉、つまりみ言葉は、出来事となってこの世に現れたのです。羊飼いたちの思いは、私たちの思いと遜色ありません。「天使さんたちの言葉が本当かどうか確かめようじゃないか」、その信憑性の確認です。更に彼らの意図は、もう一つありました。もし確認できたら仲間に知らせることでした。

 そこから羊飼いたちの喜びと大きな期待が、手に取るように理解できます。彼らは急いで告げられた場所に出向き、そこでマリアとヨセフ、そして聞いた通り飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を発見したのです。この喜び、この驚きは、計り知れないものだったでしょう。彼らのこの想いが、次のことばに表現されているのではないでしょうか。「羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った」と。そのあと「マリアはこれらの出来事をすべて心におさめ・・」、そして「羊飼いたちは・・・帰って行った」と記述されています。

 この記述には、少し違和感を感じます。羊飼いたちが告げられた場所には、すでに沢山の人々がいたことです。ここでイエスの誕生迄の話を思い出してください。イエスがお生まれになったのは、ベトレヘムの町、しかし、彼らには泊まる宿がなかった。そこでマリアとヨセフは、村の中心から、建ち並ぶ家から少し離れた場所でイエスは誕生したと推察されます。したがって、羊飼いたちは、住民登録に来て宿屋に泊まっていた他の人々に知らせたのだと思います。ところで、この羊飼い達の言動で一番驚いたのは、マリアとヨセフだったのではないでしょうか。人知れず、夫婦と生まれる幼子の、たった三人だけの寂しいその時が、一瞬にして賑やかになったのです。そして、マリアの不思議は、さらに増大すると同時に、み言葉が出来事のしるしによって、信憑性あるものになった事実の確信です。

 羊飼いたちの喜び、彼らの期待、展望は、今日の日を境に一転するのです。

 それから8日目、幼子は胎内に宿る前に天使たちから告げられた通り、イエスと名付けられました。おそらくマリアもヨセフもこの名前をつけるに当たって、もはや何も躊躇することはなかったでしょう。

 新年の初めにあたり、このみ言葉を授かった私たちも羊飼いたちと同様、喜びと期待で満たされる年になるよう日々"誠実"に活かされますように。

参考:(第一朗読:民数記6・22ー27)・(第二朗読:ガラテヤ4・4ー7)