2021年07月17日の聖書の言葉

7月18日 年間第16主日「さあ、あなた方だけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」(マルコ6:31)

 今日の福音は、イエスに派遣され、旅に出て福音宣教して戻ってきた弟子たちについての話から始まります。久々にイエスから離れて自分たちだけで、イエスに教えられたみ言葉を各々がそれぞれの思いを寄せて地域の人々に伝えた。そして今、イエスのもとに帰り「自分たちが先々で話した内容や教えた詳細を残らず報告した」と。この言葉から推測するとき、弟子たちの喜び、楽しかったことや嬉しかったことなど、沢山あったことを想像します。またこのイエスと弟子たちの姿勢から、現代における社会人としての基本姿勢をも連想されます。それは"報・連・相"(ほう・れん・そう)「報告、連絡、相談」です。イエスは既にこの時代、組織運営の基本ルール「報連相」を使っていたのです。

 つまり、組織作りの基本を熟知しておられた、否、現代社会がイエスの組織作りを取り入れたのかもしれません。現代社会にあって福音宣教の難しさ、小教区内の組織作りの難しさなど時々聞かされますが、おそらく難しく感じておられる方には、今日の福音から学習することをお勧めします。常に風通しの良い組織作りを目指す方法は;

 ① 指示、命令に対して経過、結果を知らせる→報告

 ② 関係者に全ての情報を知らせる→連絡

 ③ 活動過程で困難、判断が必要な時、関係者に参考意見を求める→相談

 これら三つは、必須のスキルです。なぜならこれらを通して情報の共有、連携の強化となり物事を進める上で組織の一員として働く以上、一人で全て完結するという内容はないからです。必ず、同じミッションを持った人が存在するのが組織です。縦に横にそれぞれ人間関係があり情報共有と意思疎通ができていれば、仮に問題が起こったとしてもすぐに対応できるからです。これらのことをイエスは、理解した上で弟子たちに自然にできるように喜びを持って教え、また弟子たちも喜んでそうしたのです。イエスはそんな弟子たちにしばらく休みを取りなさいと言われます。しかし、弟子たちとイエスの実情を知らない群衆は、人里離れたところへ行った弟子たちの後を追って、弟子たちよりも先にその場所に着いたらしい。それに気づいたイエスは、群衆に怒りを向けることなく、むしろ憐れんで弟子たちに代わって、大勢の群衆に嫌な顔もせずに教え始めたとあります。このイエスの弟子たちだけでなく、大勢の群衆にも慈しみの愛を自ら伝えられるこの姿。この同じイエスの愛が、現代社会に生きる私たち一人ひとりにも届けられていることを、あなたは感じていらっしゃいますか。