今週の聖書の言葉

12月22日 待降節第4主日 ルカ1・39-45

 そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

祈りへの招き

祈りへの招き

 「♪山路越えユダの町に エリザベトを訪い給う。我が主の、み母来ますと、母と子は喜べり♫ み冠はロザリオ、ばらの花うち香り、祈りは珠の数々、み前に献げまつる。」(カトリック聖歌集371番の2番)

 大天使ガブリエルから神のご計画を告げられ「お言葉どおり、この身に成りますように」と受諾したマリアは、急いで親類のエリザベトの家に向かいました。年をとって身ごもっているエリザベトに寄り添い、役に立ちたいとの思いから、急いでエリザベト訪問の旅に出たのです。このマリアの行為は、まさに神と隣人に対する愛の業でした。

 「エリザベトの祝福の言葉」に注目したいと思います。エリザベトがマリアに語った「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています」(ルカ福音書1章42節)の言葉は、世界中で日々唱えられている『アベ・マリアの祈り』の第二文です。
 「このエリザベトの言葉は、人の口を通してイエスが救い主であることが告げられた最初の言葉である」と若松英輔氏は述べています(『イエス伝』中公文庫より)。
 マリアと夫のヨセフを除いて、マリアの胎内の子が誰であるかを最初に認識したのは、エリザベトとエリザベトの胎内の子、ヨハネであったことが記されているのです。

 祈りましょう。
 アヴェ・マリアの祈りを唱えることを通して、エリザベトと共に聖母マリアを讃え、聖母マリアにおいて実現された素晴らしい神の恵みを讃えることができますように。 アーメン。

 *「マリアのエリザベト訪問」
 マリアがエリザベトを訪ねたユダの町は、エルサレムの西約7kmにある「エン・カレム」(ヘブライ語で、エン:泉、カレム:ブドウの園)であると伝えられています。現在、谷を挟んで南側に「聖母訪問教会」、北側に「聖ヨハネ教会」が建っています。
 (詳しくは「心のともしび」ホームページの「巡礼記」第7回「マリアのエリザベト訪問」をご覧ください)

参考:(第一朗読:ミカ5・1-4a)・(第二朗読:ヘブライ10・5-10)