2025年06月28日の聖書の言葉

6月29日 聖ペトロ 聖パウロ使徒 マタイ16・13-19

 イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

祈りへの招き

祈りへの招き

 今日の福音で、イエスは弟子たちにお尋ねになります。「あなたたちはわたしを何者だと言うのか?」。すると、シモン・ペトロが「あなたはメシア、生ける神の子です」と即答します。他の弟子たちは、その答えを口にするのをためらったかもしれません。

 同じ場面のマルコ福音書やルカ福音書には、ペトロが「メシアです」と答えたとたん、ご自分がメシアであることは誰にも話さないようにと弟子たちに命じられます(マルコ8:30、ルカ9・21-22)。マタイ福音書でも、ペトロにお話になった後に、「御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた」(マタイ16・20)と記しています。どうも大っぴらには言えない内容だったようです。

 当時のユダヤの社会ではメシア(救世主)による現世における救済を望む民衆も多く、「メシアである」などと口にすれば民衆を扇動することになるからです。シモン・ペトロについては、思ったことをすぐに口にしてイエスに諫められる場面が多く残されています(マタイ16・22-23、ヨハネ13・10-11)。

 シモン・ペトロは漁をしている最中にイエスから声を掛けられて即座に網をおいてイエスに付き従った、と福音書に記されています(マタイ4・18-20)。ペトロはイエスの言葉を躊躇なく受け入れて、すぐに正しいと思える行動に移せる人だったようです。純朴で行動的な人物といえば聞こえがいいのですが、考えるより先に行動してしまうので周囲からちょっと迷惑がられる人物だったのかも、などと私は勝手に想像しています。そのようなペトロにイエスが教会を託したのだと思うと、あわてんぼうの私は少しうれしくなります。

 私たちもペトロのようにイエスの言葉に素直に従って行動できるよう、祈りましょう。

参考:(第一朗読:使徒言行録12・1-11)・(第二朗読:2テモテ4・6-8、17-18)