
そのとき、イエスは言われた。「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。わたしの父がわたしにくださったものは、すべてのものより偉大であり、だれも父の手から奪うことはできない。わたしと父とは一つである。」

少年ダビデは、石投げによって巨人のゴリアトを倒してイスラエル国を救いました(サムエル記上17章)。羊飼いであったダビデは、狼や熊から羊の命を守るために、また群れから離れそうになった羊を呼び戻すために、石投げの技術を身に着けていたのです。
羊はか弱く、道に迷う動物です。穴に落ちると自力で這い上がる力も持っていません。生きていくためには羊飼いの存在が欠かせないのです。善き羊飼いであるイエス・キリストは「わたしの羊」を知り、声をかけ、心をかけて正しい道を歩むよう導き、命がけで守ってくださる方です。
「聞く」と「知る」が本日の福音書のキーワードです。「神の声を聞く」とは、様々な雑音に惑わされることなく、神からの呼びかけに心を開いて応えていくことです。「知る」ことも、単に知識としてだけではなく、深いつながりを持つことを指しています。イエスと父なる神が一つであるように、私たちとイエスが一つであることを、イエスは教えてくださいました。
祈りましょう。
イエスが「わたしの羊」と呼び、「わたしたちを知ってくださっている」「滅びることはない」と言ってくださることは大きな慰めであり、喜びです。イエスの招きに応えて、主の愛に包まれて歩んで行くことができますように。 アーメン
参考:(第一朗読:使徒言行録13・14、43-52)・(第二朗読:黙示録7・9、14b-17)