そのとき、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない。」マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。
「お言葉どおり、この身に成りますように」
天使ガブリエルの受胎告知に戸惑うマリアでしたが、最後には「お言葉どおり、この身に成りますように」と受諾します(ルカ1・38)。英語では"Let it be to me according to your word."と訳されています。この"Let it be"は「みこころのままに」とも訳されます。
聖母マリアと同じ「みこころのままに」と祈られたのは、孤独の中、ゲツセマネの園で祈られたイエス・キリストの祈りです。「父よ、御心なら、この杯を私から取りのけてください。しかし、私の願いではなく、御心のままに行ってください。」 (ルカ22・42)
聖母マリアと御子イエスの思いは「みこころのままに」という祈りで繋がっています。
※詳しくは2023年4月のお便りをお読みください。
私たちも、イエスが山上の説教で教えてくださった「主の祈り」を唱えるたびに、イエス様、マリア様と繋がり、天の父の御旨が叶うことを祈り求めていきましょう。
(写真:御生誕教会 / ベツレヘム)
参考:(第一朗読:サムエル下7・1-5、8b-12、14a、16)・(第二朗読:ローマ16・25-27)