2023年07月08日の聖書の言葉

7月9日 年間第14主日 マタイ11・25-30

 そのとき、イエスはこう言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした。すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに子を知る者はなく、子と、子が示そうと思う者のほかには、父を知る者はいません。疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」

み言葉の分かち合い

み言葉の分かち合い

 マタイ福音書前半の「ガリラヤでの宣教」の部分は、「弟子を集めながらイエスご自身が宣教する」4~9章、「弟子を遣わしながら訓練する」10~18章の二部に分類できます。本日の福音はその後半部分です。

 「知恵ある者、賢い者」とは、ファリサイ派の人のように、自分の力で救いを得ようとする者、世の価値観、常識に長けた人を指し、「幼子のような者」とは、神に信頼するしか方法がない者、聞いた福音を素直に信じる者を指しています。いくらこの世に財産を持っていても、天の国へ持っていくことはできません。この世の重荷を手放すことには勇気がいるかもしれませんが、主の御言葉を受け入れて、神の御旨に適う生き方をしませんか?と、イエスは呼びかけてくださっています。

*キーワード1:謙遜な
 原語「タペイノーシス(ギリシア語)」は「身分が低い」ことを指す言葉で、「謙遜」とは若干ニュアンスが異なります。「マリアの賛歌」(ルカ1・48)でも同じ単語「タペイノーシス」が使われていますが、こちらは新共同訳では「身分の低い、主のはしため」と、原文に近い訳が採用されています。
▶英語では:I am gentle and humble in spirit.
 というように"humble"
 ①謙遜した ②低い、卑しい、という単語が使われています。(原文に近い訳は②だったのかもしれません。)
▶ルカ1・48では:lowly servant
 というように "lowly" 低い、という単語が使われています。
 (和英対照新約聖書・新共同訳/TEV)より

*キーワード2:軛(くびき) 家畜の連獣具、木の棒と綱で作られたもの、自由を奪うもの。
 牛や馬の首に木製の枠をはめて、2頭の動物が離れることがないように固定し、農具をつないで耕作させたり、荷車をつないで荷物を運ばせたりするための木の枠のことです。イエスは「わたしの軛」と言われていますので、イエスご自身に木の枠がはめられていることがわかります。負いやすくて軽いイエスの軛を「一緒に負いましょう」と誘ってくださっているのです。
 つまり、イエスの軛が負いやすく軽いのは、イエスが共にいて背負ってくださるからなのです!
 イエスの軛によって、イエスと離れることなく、イエスとの絆に結ばれて、豊かな祝福をいただくことができます!

参考:(第一朗読:ゼカリヤ9・9-10)・(第二朗読:ローマ8・9、11-13)