2021年04月04日の聖書の言葉

復活の主日(日中)「あの方は復活なさって、ここにはおられない。」(マルコ16:6)

 マルコ福音書におけるイエスの最初の復活場面の記述です。安息日が終わってイエスに仕えていた婦人達は、生前イエスを敬い慕っていた。否、それ以上に彼女らはイエスという人を愛していた。それゆえにイエスのご遺体に香油を塗り清潔に保ちたいので準備していた。そして、夜が明け、日が昇るや否や墓に向かった。ところが墓に着くと心配していた墓の入口を閉じていた大きな石は、すでに入口の横に転がっていた。「目を上げてみると」と記しているように、墓は小高い丘か山の上にあったと思われる。そして、取り除かれた石を確認すると、やれやれと胸をなでおろしたのは束の間「うぅむ?」誰か墓の中にいるぞ?その誰かが、吃驚しながら恐る恐る墓の中に入ってきた婦人達に向かって"イエスは復活したよ、あなた方のボスのペトロに伝えなさい。そして、復活したイエスはガリラヤであなた方を待っていることも"と。この出来事に遭遇した婦人達の慌てふためく様子が、手に取るように描写されています。驚愕から驚喜に変化していく婦人達、その状況は宙に舞い上げられたような状態ではなかったでしょうか。そんな姿が目に浮かんでくる復活の出来事の場面です。しかし、この信じられない出来事は、婦人達の目の前で確かな現実として起こったのです。復活(甦ってくる有様)を見て確認できないから信じられなくても、今のこの現実に出会う時、「信じるしかない」のではないだろうか。イエスとの出会い、この復活の出来事、それが今日、私達にも何かを教えているのではないでしょうか。