2021年04月08日の教会の祝日

神のお告げ

 受胎告知の日;天使ガブリエルは、乙女マリアに神の子イエス・キリストがマリアから生まれることを告げた。天使ガブリエルの言葉に、戸惑い心配したマリアであったが、それが神の働きであることを信じ、心に受けとめ「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(ルカ1:38)と、神の母となる告知を受諾した。その後、マリアの親戚エリザベトを訪問した時に、神の母となる喜びと主への賛美を歌った。その聖母マリアの賛歌Magnificat(ラ)マニフィカト[我が魂、主を崇め]は、全世界の修道院、教会の中で現在に至るまで朝に夕に必ず祈りの中で歌われる。ちなみに東方教会では早課、西方教会では晩課に歌われる。お告げの場面は、全てのキリスト教信者にマリアの神に対する姿勢の模範として、自分の力に頼るのではなく、神への完全な従順を豊かに、そして美しく表現されている。この祝日は、七世紀から一般に祝うようになった。

 また近年、この日を①世界が創造された日とする→「創造」 ②神の言葉が受肉した日とする→「救い主」 ③キリストが救いの為に十字架に架けられた日とする→「信者の生命」。これらからこの祝日を「新しい生命のはじまり」という意味も付け加えている。そして現在は、キリストの祝日としても祝う。

マリアの賛歌 Magnificat
わたしは神をあがめ、わたしの心は神の救いに喜びおどる。
神は卑しいはしためを顧みられ、いつの代の人もわたしをしあわせな者と呼ぶ。
神はわたしに偉大なわざを行われた。
その名はとうとく、あわれみは代々、神をおそれ敬う人の上に。
神はその力を現わし、思い上がる者を打ち砕き、権力をふるう者をその座からおろし、
見捨てられた人を高められる。
飢えに苦しむ人は、よいもので満たされ、おごり暮らす者はむなしくなって帰る。
神はいつくしみを忘れることなく、しもべイスラエルを助けられた。
わたしたちの祖先、アブラハムとその子孫に約束されたように。栄


2021年04月25日の教会の祝日

聖マルコ福音記者

 マルコは、福音記者の一人ですが、12使徒ではなく同時代の弟子の一人である。彼の名前は新約聖書の使徒言行録12章の12節と25節、そしてパウロの書簡の中に度々記述されている。そこから聖マルコは、ペトロとパウロの付き人のような協力者であり、彼らの宣教の旅に度々同行していたと伝えられている。特にペトロの側近のように彼の宣教の旅には随伴し、ペトロが話した事を資料にまとめて福音書を記したと伝えられている。また、四つの福音書の中でマルコによって書かれた福音が、一番古いものであると言われる。イエスには大勢の弟子がいたが、その弟子たちの中でも12使徒たちの常に傍にいて、非常に可愛がられた存在だったらしい。彼はローマ皇帝ネロの迫害でペトロとパウロが殉教したのち、エジプトのアレクサンドリアへ宣教に行き、のちに初代の司教となった後、アレクサンドリアで殉教したと伝えられる。
 彼の聖遺物が、ヴェネツィアの商人によってアレクサンドリアから運ばれ、ヴェネツィアの守護の聖人とされた。その後、ヴェネツィアには大聖堂が献堂され、サン・マルコ大聖堂として現在も残る。現在、イタリアのヴェニス(ヴェネツィア)に行くと、サン・マルコ大聖堂と聖堂前のサン・マルコ広場には、大勢の観光客で賑わいを見せている。