2021年04月13日の教会の祝日

受難の主日(枝の主日)

 四旬節最後の日曜日は、受難の主日となります。この主日は、かつて枝の主日とも呼ばれていました。4世紀以降行われていた枝の行列は、イエスのエルサレム入城に始まる受難が、復活の栄光に至る道であることを想起させる日なのです。この史実は、福音書から確認することができます(マタイ21:1-10,マルコ11:1-11,ルカ19:28-38,ヨハネ12:-19)。ユダヤ人の過越祭をひかえて、イエス・キリストが、ベトファゲから子ロバに乗って弟子たちを伴ってエルサレムに入城された。イエス・キリストを見た群衆は、イエスのその姿からダビデ王のように見えたから、イスラエルの国を復興してくれる王だと思われた。その王がエルサレムに来たと思い、群衆は「自分の服を道に敷き、また他の人々は木の枝を切って道に敷いた。そして彼らは叫んだ」(マタイ21:8)とイエスを歓迎した。この出来事から、かつて受難の主日のミサの後で行われていた枝の行列は、現在、典礼の始め開祭の儀で行われるようになったのです。会衆の持つ木の枝を祝福し、それを手に持って行列しながら、主の「エルサレム入城」を記念するこの主日が「枝の主日」とも呼ばれるのは、そのためです。しかし、イエスがエルサレムに入城されたのは、これまで弟子たちに予告していた、十字架に架けられることでした。それはすべての人の罪のため、全ての人のその身代わりとなるために、ご自身の命を捧げるためでした。この受難の出来事を記念するのが、受難の主日であり、この日の福音は、キリストの受難の朗読が読まれるのです。

 この日信徒は、ミサの初めの行列のときに祝福された枝を家に持ち帰り、十字架に付けたり、家庭祭壇に納めたり、必ず家の中で大切な場所に翌年の灰の水曜日まで飾ります。この信心は、私たち人間のために、イエス・キリストが十字架上で死を打ち滅ぼし、復活し、永遠の命に入られた「キリストの勝利」を証しするシンボルだからと伝えられているからです。そして、この日から教会の典礼の頂点である「聖週間」と呼ぶ聖なる週が始まります。