2021年11月01日の教会の祝日

諸聖人の日

聖人と呼ばれる人は、二種類に分けられます。それは、聖人の中で殉教者と呼ばれる人と証聖者と呼ばれる人です。

殉教者は、最後の最後までイエス・キリストの苦しみを自分の苦しみとして「信じ」ぬいた人に与えられる称号です。

また証聖者とは、殉教していませんが、イエス・キリストをご自分の生涯を通して証した人に与えられる称号です。

このように殉教または敬虔な生涯を送ったため、信者の方々から崇敬を受ける人をさして「聖人」と呼ばれます。

今日の諸聖人の日は、キリスト信者の人にとって神様の元でこの世の人々のために執りなしてくださる、すべての聖人の方々を敬う特別な日なのです。

この日は元々東方教会でお祝いされていましたが、609年に西方教会でも祝うようになりました。また8世紀頃からイギリスやアイルランドでは、11月1日に天国にいるすべての聖なる人を記念するようになりました。そして当時の教皇グレゴリウス三世は、この日をすべての聖人をお祝いする祭日としたのです。


2021年11月02日の教会の祝日

死者の日

カトリック教会の古い教理に「人が死ぬと、その霊魂は肉体から離れます。・・・人には小罪の汚れのある霊魂もあるので、そのような霊魂はそのままの状態では地獄には入りませんが、天国に入ることも許されません。

したがって、その霊魂は煉獄というところへ入ってそこで苦しみによって罪の汚れを清められ、その後天国に入ります。

煉獄の霊魂は積極的に自分を助けることはできませんが、私たちの祈りによってその苦しみが許され、もっと早く天国に入ることができます。

そのためにカトリック信者は、毎日、煉獄で苦しんでいる霊魂のために祈るのです。」と教えていました。

そこから現在でもミサの中で死者のために祈りを捧げていますし、キリスト教の伝統的祈りでもあります。

今日この日は死者の霊魂が、一日も早く天国に迎え入れられますように、心を一つにして祈る特別な日です。


2021年11月09日の教会の祝日

ラテラノ教会の献堂

カトリック教会では、世界中の教区で新しく大聖堂が建立されるとその建物が神様に捧げられた事を記念し献堂式を行います。

その献堂式の記念は、昔からの習慣として毎年お祝いします。

その代表的な献堂記念祝いが今日のラテラノ教会の献堂です。

ラテラノ教会は、4世紀初頭、ローマ皇帝コンスタンチヌスが、ローマのラテランに大聖堂を建て、神に捧げられたものとして献堂されたのが、11月9日でした。

そこはローマ教区の司教座であり、勿論、司教は教皇様です。

現在の大聖堂は、14世紀の火災後再建された大聖堂でサン・ジョバンニ・ラテラノ教会としてローマの4大聖堂の一つとして知られています。

ちなみに他の大聖堂は、サン・ピエトロ大聖堂(バチカン)、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(建物はバチカンの外にあるが建物はバチカン市国に所属)、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(城壁外の聖パウロ大聖堂)です。


2021年11月23日の教会の祝日

王であるキリスト

1925年教皇ピオ11世によって定められた祭日であり、典礼暦最後の主日です。

勿論、この日教会は「王であるキリスト」をお祝いします。

また典礼暦最後の主日ではありますが、この祭日は世の終わりを滅びの時とするのではなく、神の国の完成の時であること、王たるキリストによる全世界の支配、さらに再来の時であることを祝う日なのです。

王とはこの世の支配者のようにではなく、キリスト信者にとって世の救い主であり、愛の根源であり私たちにとって最も親しい「キリスト」こそ、本当の王であるということから、暦の最後の主日にあたり改めてお祝いするのです。

 ちなみにその精神を真に生きようとする修道会の一つにこの名前を戴いた「クリスト・ロア宣教修道女会」があるのをご存知ですか。

この修道会は、主に社会福祉の面で我が国において多大な貢献をしています。

これまで弱い立場に置かれた人々、社会から見えなくされた人々と共に歩まれ、奉仕されています。

そうした社会に奉仕される修道会が、これからも活躍されることを心より祈ります。


2021年11月30日の教会の祝日

聖アンデレ使徒

ヨハネ福音1章35節から今日の聖人使徒アンデレについての記述があります。

アンデレは、本来洗礼者ヨハネの弟子であったこと、そして、イエスと出会った時に洗礼者ヨハネの言った言葉「見よ、神の子羊だ」に動かされ、イエスに従ったと記されています。

その翌日、アンデレは自分の兄弟シモン・ペトロもイエスのところへ連れて行き、ペトロもイエスの弟子になったとあります。

聖書の中に使徒アンデレが登場するのは、もう一箇所ヨハネ福音6章8節のパンの奇跡の場面です。

そこに描写されているアンデレの姿から、謙虚で優しくあまり目立たない人であるが、とても思慮深い人ではなかったかと伝えられてます。

アンデレにとってイエスの死と復活は、彼のイエスに対する強い忠誠心を揺るぎないものとされたのです。

またアンデレはX型の十字架で処刑され、殉教したと伝えられました。

その伝承からか、アンデレを守護の聖人とするスコットランドでは、国旗を「聖アンドリュー旗」と呼び、青地に白のクロスをデザインした旗を使用しています。

またロシア、ギリシャ、ルーマニアにおいても守護聖人とされています。