あちこちで桜便りが聞かれる季節となり、カトリック教会ではイースターを迎えました。
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今月は少し前に読んだ本の話題から、お届けします。
国内800万部、世界で2500万部を超える空前のベストセラー黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』の続編が、昨年、42年ぶりに刊行され(出版:講談社)、早速購入して一気に読みすすみました。
父親の出征や青森への疎開、戦後の香蘭女学院時代、そしてテレビ放送が開始されるタイミングでのNHKとの出会いなど、天真爛漫で、暖かく優しく、好奇心旺盛で、どんな苦労も乗り越えて前向きに生きるトットちゃんの魅力がいっぱい詰まった本でした。
愛情溢れるご両親や先生たちとの出会いが彼女を育て、優しく包み込み、導かれながら歩んでこられたことを強く感じました。
私事ですが、幼稚園時代によく観ていたNHKのテレビ番組「おかあさんといっしょ」の人形劇『ブーフーウー』のウー(子豚3兄弟の末っ子)の声が徹子さんであったことを初めて知りました。「紅白歌合戦」の司会時のエピソードや「徹子の部屋」にまつわるお話はどれも興味深く、笑ったり泣いたり、ほっこりとして幸せな気持ちに満たされました。
48年目を迎える「徹子の部屋」は、同一司会者によるテレビ番組の最多放送世界記録を更新中です。
20年も前のことになりますが、私が勤務していた学校に徹子さんをお招きして、全校生徒がお話を伺う機会に恵まれたことがありました。
徹子さんは、ユニセフ親善大使として、飢餓・戦争・病気に苦しむ世界中の子どもたちとふれあい、その実情を世界に伝える仕事をされています。
金やダイヤが産出されるために争いが絶えない地域を訪れたときのことを話してくださいました。幼少期に極度の栄養不足に見舞われ、その時期に欠かせない脳の発達が阻害されたために歩くことができなくなってしまった少女のことを、涙ぐんでお話くださったことが忘れられません。
黒柳徹子さんは、辛いことを前向きにとらえて、一見マイナスに見えることでもプラスに変えてしまう力を持っておられます。
ご両親をはじめ、関わりを持たれた多くの方々を通して、神様の恵みと祝福に満たされて、与えられた尊い使命を果たし続けておられるトットちゃんを敬愛してやみません。
私自身も、自分に与えられた使命を自分なりに精一杯果たしていこうと思いました。
心のともしび運動 阿南孝也