『鬼滅の刃』をご存じでしょうか。舞台は大正時代。親兄弟を人喰い鬼に殺されてしまった炭治郎(タンジロウ)少年が、鬼にされて生き残った妹の
私は小川仁志著「『鬼滅の刃』で哲学する」(PHP文庫)を読んで、「鬼」「水」という言葉に注目しました。
*「鬼」は人間の敵であり人間より強い存在です。物語では、主人公たちが努力を重ねて鬼を退治する姿が描かれています。ここに登場する鬼たちは、元は普通の人間でした。すさんだ世の中が鬼を生み出す原因となったのです。
小川氏は「人生とは鬼退治なのです」と述べて、「世の中を欲と憎しみによってすさんだものにしてしまう私たちの弱い心こそが、鬼の正体にほかならないのです」と指摘しています。
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「神の武具を身に着けなさい。立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、平和の福音を告げる準備を履物としなさい」
(エフェソの信徒への手紙6章13~15節)
「主よ、終わりまで仕えまつらん♪ みそば離れずおらせたまえ。世の戦いは激しくとも、御旗のもとにおらせたまえ♫」
(讃美歌集338)~~~~~
「神の武具」「真理」「正義」「平和の福音」を身にまとい、弱い心を退治して、神の愛に立ち返ることができますように。
*「水」は人間が生きていくために不可欠なものです。「鬼滅の刃」では、剣士たちの呼吸法の一つとされています。私たちの日常を振り返ってみますと、飲み水、洗浄水、農業用水として、また工業では「物を削る道具」としても使われます。
小川氏は「水はどのようなものの隙間にも入っていく軟らかさと同時に、金属でも削れる硬さの二つの側面を持っています」「水とは、硬軟使い分けることで人を強くする道具だといえます」と述べています。
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「私たちは、地球の大気を呼吸し、地球の水によって生かされ元気をもらっているのです」
(教皇フランシスコ回勅「ラウダート・シ」)~~~~~
コロナ禍の教訓を生かしながら、「地球号」の乗組員であることの自覚を胸に、よりよい世界を築くために、人類が協調して歩んでいくことができますように。 アーメン。
心のともしび運動 阿南孝也