国際白杖の日

毎月のお便りイメージ

 10月15日は「国際白杖の日」です。視覚障がいへの理解や関心を高めることを目的として制定されました。

 私が今年3月まで勤務していた学校では、難病のために40歳で失明された松永信也さんからお話しを伺う機会を20年以上続けてきました。視覚障がい者への正しい理解とお手伝いの方法を丁寧にお話くださいます。さらに生徒の質問に答えながら重要なメッセージを伝えて下さるのです。

 私が大きな気づきをいただいたのは次の問答です。「電車のドア近くで手すりを持って立っている視覚障がい者を見ました。降りるとき便利だから立っているのですか?」。松永さんの答えはこうでした。「立っていると疲れます。でもどの席が空いているかわからないので、仕方なく立っているのですよ」と。
 少し想像力を働かせれば分かることに気づかずにいた自分を恥じました。

 視覚障がい者は平衡感覚が取りにくいと伺いました。ぜひ皆さんも「①目を開けて、②目をつむって、片足で1分立つ」に挑戦してみてください。私は①はクリアー、②はスタート直後から体がぐらつき、30秒手前で脱落してしまいました。目からの情報によって姿勢をコントロールしているのです。

 先日電車内で、先ほどの状況に出会いました。私は小さな勇気を出して「空いた席がありますが、座りませんか?」と声掛けをして、空いた席まで誘導することができました。

「盲目は不自由なれど不幸にあらず」。視覚障がい者が自立した生活を営めるよう取り組む総合福祉施設「京都ライトハウス」の創立者の言葉です。正しい知識を持って行動できる人が増えて、障がいを持った方も持たない方も、ともに幸せに暮らすことのできる豊かな社会の実現を祈ります。

 心のともしび運動が、真に豊かな社会を築くことに少しでも貢献できることを願っています。

心のともしび運動 阿南孝也