遠藤周作さんを偲んで ーご生誕百年を記念してー

2023年02月10日の会員さんへのお便り

 2023年が平和で明るい年になりますようにと切に願い、祈りつつ新年を迎えました。
 厳しい寒さのなか、いかがお過ごしでしょうか。
 皆様お一人お一人にとって、善き年でありますようにとお祈りいたします。

さて、本年は遠藤周作さんの生誕百年という記念すべき年に当たりますので、機関紙「心のともしび」3月号を『遠藤周作特別号』として発行しました。
 (心のともしび運動との最初の関わりについての記事も掲載しています)

 遠藤さんはキリスト教を正面からとらえて、日本人にとっての信仰に迫る不朽の名作小説を遺してくださいました。遺作となった『深い河』の中で、主人公の一人である大津が語った「日本人の心にあう基督教を考えたいんです」という言葉は、彼が生涯をかけて探求し続けたテーマでした。

 一方で、ユーモアあふれる作品を数多く発表し、「狐狸庵ブーム」を引き起こしました。遠藤さんの描く「ぐうたら人間」は人々の共感を呼びました。
 『おバカさん』の主人公ガストンは、どんなにだまされ傷つけられても、人を愛し続けるフランス人青年です。遠藤さんはこのガストンを、後の2作品『悲しみの歌』(『海と毒薬』の続編)と『深い河』にも登場させます。ガストンは罪に苦しむ人に「寄り添い」、裁きではなく「赦し」をもたらす人物です。ガストンのモデルこそ、遠藤さんの考えるキリストであると確信しています。

『沈黙』では、踏み絵のキリスト像が「踏むがいい。お前の足の痛さはこの私が一番よく知っている」とロドリゴ神父に語りかけます。「私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」というキリストの言葉が心に刺さります。

遠藤さんはカトリック教会への貢献が認められて、作家の三浦朱門さんと共に、ローマ教皇から「聖シルベストロ教皇騎士団勲章」を贈られています。ご生誕百年を迎えて、改めまして遠藤周作さんのご功績に心から尊敬と敬意を表します。

ちなみにラジオ番組「心のともしび」でも、遠藤さんのお話を11月までの毎月第4月曜日に放送する予定です。

70年という長きに渡り心のともしび運動を継続出来ますのも、ひとえに多くの方々のご尽力と、皆様からのご支援、お祈りあってのことです。心から感謝し御礼申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

心のともしび運動YBU本部
責任役員 阿南孝也
職員一同