イエスは言われた。「あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。すべての人が食べて満腹した。(マタイ:14章16~20節)
「パンと魚の奇跡」は、四福音書すべてに記されている奇跡です。「賛美の祈りを唱えてパンを裂く」行為は、最後の晩餐の場面と重なります。この奇跡には2通りの解釈があるそうです。「イエスの力で増量された」説と、「群衆が手持ちのパンを自主的に差し出した」説の2説です(番外編:とっても大きいパンだった説)。皆さんはどうお考えでしょうか?
私はずっと前者を支持してきました。後者ではキリストの力を矮小化していると感じるからです。しかしコロナ禍で、後者の「人々が差し出した」説も捨てがたいと思うようになりました。神は、私たちの思いを飛び越えて解決されるのではなく、私たちが神からいただいている能力や財産を分かち合い、協力し合うことによって難局を乗り越えることを望んでおられるに違いないと思うようになったからです。
人はあまりにも解決が難しい課題に直面したとき、力のなさを嘆いてあきらめてしまいがちです。弟子たちが、五千人を前に五つのパンではどうにもならないと考えたのは当然のことでした。しかしイエスは「それを使おう」と言ってくださるのです。「主が共にいてくださるなら不可能ではなくなる」。パンを配りながら、弟子たちは、神の大きな力が確かに働いていることを実感し、それを言い伝えてきたのだと思います。
心のともしび運動の活動も皆様のご支援・ご協力、そしてお祈りをいただいています。いただいたパンに神の大きな力が働いて、心の糧となる福音を人々に配り続けていくことが出来ますように願って、日々励みます。
私たちは毎日、朝礼で皆様のためにお祈りし、毎週一回、協力司祭の一場 修(いちば おさむ)神父様とミサをお捧げし、会員の皆様のご健康と平安をお祈りしています。
心からの感謝を込めて。
*いつも心のともしび運動をお支えくださいましてありがとうございます。心より厚く御礼申し上げます。
今年4月の異動で松村神父がイエズス会に戻り、私、阿南が心のともしび運動の代表役員を務めることになりました。私には荷が重い役目なのですが、神様が用いてくださることに信頼して、精一杯務める所存です。
4月のお便りではご報告ができず、大変失礼しました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
心のともしび運動YBU本部
代表役員 阿南孝也
職員一同