2021年12月29日の教会の祝日

聖家族

 聖家族の祝日は、主の降誕の次の日曜日に祝います(ただし、主の降誕が日曜日に当たる年は12月30日に祝います)。教会でいう聖家族とは何であるのか。唯、家族全員キリスト者だから、例え現実離れした幻の家族であっても聖家族と呼んでいませんか。つまり、家庭崩壊している家族、親子関係のない家族、相互理解不可能な家族、互いに苦悩している家族、これら現実問題を抱える家族に対して、本当の家族の喜びが何であるのか。その事を伝える為に、幼子イエスをヨセフとマリアに委ねた家族の真の姿を祝う日なのです。ヨセフを大黒柱とした家族は、決して豊かな家庭ではありません。むしろ貧しい日雇い賃金だけで暮らす家庭です。また親子喧嘩があったとは、聖書に記されていませんが、なかったとは言えません。ヨセフもマリアもイエスが成長していくほどに、いくら神の子とは言え、理解できないことで苦しまれたことも沢山あったでしょう。そんなある日、父ヨセフが亡くなり悲しみを背負いながら、経済的にも困窮した日々もあったでしょう。このように普通の、否、それ以下の厳しい家庭生活を暗に聖書の空白期間は、そのことを含蓄させているのではないでしょうか。神の望みにしたがってイエスを育てたヨセフとマリアは、イエスを通して神の救いの業の実現を信じることだったのです。神は一人ひとりの子どもを通して救いのわざを実現しようとなさっています。一人ひとりの子どもに救いの使命を託し、その子をそれぞれの親に委ねられます。だから、親が神の望みにしたがって子どもを育てるとき、同時に救いの業が実現しているのです。神の救いにかかわることですから、人間的にはうまく行かないこともあるでしょうし、理解できないこともあるでしょう。しかし、神が必ず我が子を通して、救いの業を実現してくださることを信じながら、育てていくこと。マリアのように......。「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう!」(ルカ1・45)と。あなたは聖家族から何を気づかされますか。