2021年12月28日の教会の祝日

幼子殉教者

 今日の幼子殉教者の記述は、マタイ福音書2章にあります。イエスが誕生した時代、ヘロデ王がイスラエルを統治していました。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見たので、拝みに来他のです」これを聞いたヘロデ王は、自分の他に王位を狙う者が現われたと思い、その者の殺害を計画しました。そしてヘロデ王は、祭司長たちや律法学者たちを集め、ベツレヘムに現われると分かると、「ユダヤの王」を自分も拝みたいので見つけたら知らせるようにと言って博士たちを送り出しました。

 ところが占星術の学者たちは、幼子イエスを礼拝した後、ヘロデにイエスを見つけた場所を知らせることになっていましたが、ヘロデ王の元に戻らないようにと天使に命じられたので、そのまま東方に帰りました。その後、ヨセフの夢の中にも天使が現れ、マリアと幼子イエスを連れてエジプトに逃れるようにとのお告げを受け、聖家族はエジプトに向けて出発しました。裏切られたと知ったヘロデ王は怒り、幼子イエスの命を奪うために、ベツレヘムに住んでいた二歳以下の男の子を皆殺害したのです。ヘロデ王は自分の名誉、地位、権力だけの為、かけがえのない幼い尊い命を奪ったのです。殺された幼子たちは、カトリック教会及び東方正教会において「救いの初穂」、最初の殉教聖人として2世紀以降、その殉教を記念しています。現在、カトリック教会では12月28日、東方正教会では12月29日を幼子殉教者の祝日として特別に祈りを捧げています。大人のエゴ・争いが、幼い子供たちの尊い命を奪うことのない世界平和の為に心を合わせて祈りましょう。「戦争は人間の仕業です」(ヨハネ・パウロIIの言葉)。