今日の殉教者聖ステファノについて、使徒言行録6章1節から8章1節まで詳細に記述されています。「主イエスよ、私の霊をお受けください。」「主よ、この罪を彼らに負わせないでください。」(7章59節~60節)彼はキリスト教初の殉教者と言われています。ある方は最初の殉教者は幼子殉教者だと言われますが、その時まだキリスト教ではなかったですね。従ってキリスト教(イエスの復活後)の最初の殉教者と言えば、ステファノになるでしょう。ともあれこれほど献身的に使徒や弟子たちのお世話をし、12使徒を支え、身を粉にして奉仕したステファノが、反対者から憎まれ、濡れ衣を着せられ、ボロボロにされた挙げ句の果て石打ちの刑に処せられた。しかもその中には、後に使徒になるサウロ(聖パウロ)もいたことです。歴史上の出来事だとは言え、いつもこの聖書箇所の記述をどのような気持ちで読めばいいのか、キリスト信者の一人として複雑な思いになります。
当時の使徒たちの仕事の補佐をするために選ばれた7人の一人ステファノ。大勢の弟子たちの中でも特に「信仰と霊に満ちた人」で彼の言動は素晴らしいと皆に評価されていた弟子ステファノ。その彼が、サウロも加わった加害者集団に殺害されたのです。勿論、ステファノは真っ直ぐに天に召されたでしょう。名前の通り"殉教の冠"を主によってもたらされたのです。でも何とも言えない悲惨な出来事です。これが史実の社会ですと認めざるを得ないでしょう。その未熟な社会は、現代も似ているところがあるように思います。今日、あなたは聖ステファノ殉教者を思うとき、いつの時代も変わらない社会の現実に何を思われますか。