かつて心理学学者の故河合隼雄師は伝統的家屋構造から東洋は母性原理の国が多く、欧米は父性原理の国が多いと話されました。確かに、東洋と西洋との相違は住居の構造の違いが精神的構造に相違をもたらしていました。がしかし、カトリック教会における聖母マリアに関していえば、洋の東西に関わらず早くから(5世紀頃)マリアに対する信仰(母性原理)は働いていました。その根拠として聖母マリアの祝祭日が沢山あり、それまでは殆ど毎週聖母マリアの祝い日がありました。現在ではその数は少なくなりましたが、今日お祝いする「聖母マリアの誕生」はその一つで、世の救い主、贖い主の母として選ばれた汚れなき乙女マリア様の誕生日なのです。
母性、父性に関わらず、予想できない様々な困難によって消えそうな希望の光を、聖母マリア様の取次によって再び希望の光輝がもたらされるように、皆様とご一緒に心を合わせて祈りましょう。