聖マタイは、福音書の中に登場する徴税人マタイその人で、初代イエスの直弟子12使徒の一人です。ラテン語が主流だった第二ヴァチカン公会議前までは、カトリック教会内においてマテオと呼ばれていました。
マタイとは「主の恵みを受けた人」という意味です。その理由は、彼がイエスの弟子として招かれる前は徴税人レヴィでした。当時、徴税人は人々から忌み嫌われ、罪人扱いされていました。なぜなら、当時ユダヤ全土を支配していたローマ帝国へ納める税金を徴収する人であったこと。また当時、徴税人には給料、日当がなかったため、徴収税にプラスαを上乗せした税を、人々から徴収し、その上乗せ分を彼らの収入としていたのです。そのため一般民衆からは嫌われ、罪人扱いされていたのです。そんな徴税人マタイがイエスの呼びかけに応え、弟子となった "マタイ「主の恵みを受けた人」"です。当然マタイは、お金持ちだったでしょう。でも罪人として忌み嫌われていたことは事実です。その彼は、自分が徴税人であることを隠すことなく、公言します。このマタイの姿勢は、他の誰よりもイエスに従順、謙遜、清貧、そして誠実な人である証拠です。そこにイエスが、レヴィに魅了された所以ではないのでしょうか。私たちもマタイ福音記者のように、従順、謙遜、清貧、誠実、そのどれか一つでも身につけば、イエス様に呼ばれるかもしれませんね。