2021年08月15日の教会の祝日

聖母の被昇天

 毎年8月15日カトリック教会では、マリア様が天の国に挙げられたことを記念する"聖母の被昇天"のお祝い日です。この祝日は、カトリック教会の中でご復活祭、ご降誕祭に次ぐ大きな祝い日でもあります。ただ日本でこの日は、戦争の終わりを祈念する終戦記念日であり、また地域によってはお盆休みの日で故人を偲ぶ大切な日であることから、あまり知られていません。

 5世紀頃から地中海沿岸諸国で、この日を神様のお母様としてマリア様が、お祝いされていたそうです。しかし、カトリック教会全体で"聖母の被昇天"として祝うようになったのは、8世紀頃からと言われています。恵みあふれるマリア様は、純心、謙遜、従順、清貧に生涯を過ごされました。その為、イエス様のお母様として祝福を受け、最後まで従順であられました。そこで神様は母マリア様を天の国に挙げられたのです。以来、カトリック教会の中でマリア様は"教会の母"と称され、信者の方々の信仰の模範であり、神様に私たちの願いを取次いで下さる方なのです。

 今日この大切な日、あなたの大切な方のために、信者でない方も信者の方も、戦争で亡くなられた方々、病気、災害、不慮の事故で亡くなられた方々、また残されたご遺族の方々の為に、聖母マリア様の取次を願いながら、神様に永遠の安らぎと平穏を与えて下さるようにお祈りしましょう。聖母マリア様は、すべての人を分け隔てなく優しく愛され、豊かな恵みを与えて下さるお方です。

 因みに、ローマの聖クレメンス聖堂の地下室には、九世紀に描かれた聖母マリア様の壁画があります。それは世界で最も古い聖母の被昇天の壁画と言われています。