2021年06月15日の教会の祝日

三位一体

 「三位一体」の言葉を一般の方が、使われる時「ちょっと本来の意味と異なっている」と思います。キリスト教の教えでは「本質(実体)として唯一である神が、父と子と聖霊という三つの区別された位格(自立存在、ペルソナ)である。それは万物を超越する神は自らを自由に人間に譲与する(神の自己譲与)。即ち、神である御子が父なる神によって遣わされて人間となり、神の愛を掲示し、神と人類を一致させる。・・・ 」と言われます。(P.ネメシェギ師)。

 教会の"三位一体"説は、難しい教えの最高峰と言われています。聖霊降臨の主日の翌月曜日から教会暦では「年間」に入りました。年間に入った最初の主日が、三位一体の主日としたその理由は、次のことからでした。

       

 教会は、イエスがご自身の生涯をかけて、神の使命を全うされた救いの業を思い起こし"父、子、聖霊"この三位が人類の救いを実現されたことを、もう一度味わい直すこと。なぜなら、三位一体の神秘は、人知をはるかに超えるものであり、決して解析し理解するものではないからです。そのことを教えてくださったのが、イエス・キリストでした。教会はイエスが教えてくださった神をできるだけ忠実に表そうとして、歴史の中で「三位一体の神」というキリスト教的な神理解が明確になっていきました。イエス・キリストは、私たちに三位一体の神秘を啓示し、さらに私たちを三位一体の中に招き、導いてくださるのです。

 8世紀半ば頃から教会は「三位一体」のミサを捧げて来ました。また教皇ヨハネ22世は、1334年に三位一体の祝日をカトリック全世界の祝日と制定されました。そこからカトリック教会では、この三位一体の祝日を大切に伝えています。キリスト信者の人々にとって「父・子・聖霊」の名によって洗礼を受けたこと、そして毎日額に十字を切る度「三位一体」のうちに招かれていることに気づかせて戴きましょう。