2021年01月25日の教会の祝日

聖パウロの回心

今日の聖人パウロは、教会の中で「使徒」(ローマ1:1)と呼ばれていますが、イエスの直弟子ではなく、イエスの復活後、使徒と呼ばれる様になりました。イエスの時代、彼は熱心なユダヤ教徒で一説にラビとして活躍していたと言われています。イエスの時代には、キリスト教を徹底的に排除、迫害し、また死後には、ステファノ殉教の加害者でもありました。その彼が何故、熱心なキリスト教徒しかも「使徒」となったのか、その詳細が聖書の中(使徒言行録9章)に記されています。彼のユダヤ名はヘブライ語でサウルであり、ギリシャ語でパウロスと呼び同一人物であります。そのサウルは、キリスト信者たちを捕まえ連行するためにダマスコへ向かう途上、「突然、天からの光が彼の周りを照らした。サウル、なぜ私を迫害するのか。」(使徒9:4)その直後サウルは、突然まばゆい光に照らされ目が見えなくなります。そして、この時からサウルの回心が始まりました。サウルを光が覆い、その光の中で出会ったキリスト、突然の失明、闇の世界、そんな状況の中でキリスト者との出会い、幾度となく続く回心への道、そして幾多の受難と労苦の末、使徒と呼ばれるようになりました。そんなサウルが回心の末、決断したこと、自分自身の生涯を神に捧げる事であった。その為、彼は地中海沿岸一帯(トルコ、ギリシア中心に)の国々を隈なく福音宣教し、行く先々で大勢の人々を神の国へと導いていった。特にパウロは、異邦人に福音宣教したことから"異邦人の使徒"とも呼ばれています。聖パウロがキリストの教会に果たした功績は、何処にも類を見ることのない計り知れないものです。彼が存在していなければ、キリスト教はこれほど全世界に広まっていったのだろうか。その証拠の一つに、キリスト教の正典でもある新約聖書の書簡は、聖パウロの書簡が一番早い時期に書かれています。また現在もローマ市内にあるバジリカの一つ、聖パウロの教会には、全世界から大勢のキリスト信者が集まり祈りを捧げています。キリスト教の中で聖パウロは、聖ペトロと並んで偉大な聖人なのです。