「マリアは神の母である。」これはマリアについて定義された4つの信仰箇条の一つです。マリアは本当にイエスの母であった。神の母とは、イエスの母であり我主の母です。そのことは使徒信条の中でも見られます。"聖霊によって、おとめマリアよりからだを受け人となられました。"この事実を一つの言葉「神の母」、テオ-トコスΘεο-τοκοσ。 "マリアが神の母である"ということは、神性を生んだ母を意味し、神の本性において生んだ母という意味ではありません。つまり、子なる神、神の子の母であるという意味です。なぜこの言葉を用いたのか、当時、女神と称するものが多かった。イージス、ディアナ等など。その中にマリアを入れると誤解を招くので、事実を表す言葉として用いたらしい。5、6世紀に入り、女神の恐れもなくなりマリアを使うようになった。しかし、420年頃には否定する人もいた。その人がネストリウスです。彼は、テオ・トコスの称号をΧριστο-τοκοσ「人性・聖人ではあるが、神の母ではない」と否定しました。その為エフェソ公会議が開かれ、その結果、マリアは神の母と宣言されネストリウス説は排斥されました。1931年エフェソ公会議1500周年を祝う為、時の教皇ピオ11世は、1月1日を神の母の祝日と制定しました。その日は、丁度イエス誕生後の8日目にあたり、ユダヤ教の律法によると男の子が生まれて8日目に命名と割礼する律法「8日経って割礼の日を迎えた時、幼子はイエスと名付けられた」(ルカ2:21)があり、命名と割礼の日にも当たるとのことです。