小川神父が鹿児島教区に戻ることとなり、マクドナル神父はイエズス会の柗村信也(まつむらのぶや)神父に「是非とも後継者として代表役員を務めていただきたい」と頼みました。柗村神父は司祭になる前からマクドナル神父と旧知の仲でしたし、すでに「心のともしび運動」の監事として協力してくださっていましたので、責任役員会と顧問会で適任であるとして承認の上、打診されたのでした。
【2020年】
もちろん、イエズス会の許可無しには派遣されませんので、管区長のゆるしを得て、4月から代表役員としての派遣が正式に決定され、就任しました。
しかしその時は、新型コロナウイルスのパンデミックにより緊急事態宣言の最中であり、前任地の長崎からの移動ができなくなり、宣言が解除された6月、やっと京都に引っ越して着任することが出来ました。
柗村神父は本部に到着してすぐに精力的に働き出しました。
まず、聖堂を明るく清潔な雰囲気に一新。
また老朽化した建物の危険性を危惧、職員の身の安全を考慮して、上階にある重い不用品の処分を神父自ら率先して、職員全員で行いました。
そして、心のともしび運動の三本柱である、ラジオ放送・ホームページ・機関紙について、発信する内容などを丁寧に見直し、刷新するための職員会議を重ねました。
【2021年】
*ラジオ番組「心のともしび」の原稿執筆メンバーを新規に依頼。比較的若い世代の方々が増えました。
*ホームページTOPのデザインや発信する記事の内容を話し合い、約一年がかりで現在の形に練り上げました。
中でも「心のともしび運動」の活動の歴史をきちんと把握するため、創設時から宗教法人「カトリック善き牧者の会」設立も含めた年表にまとめたことは、後々、さまざまな場面で役立つものとなりました。
https://tomoshibi.or.jp/ayumi/
また、新しい記事として2021年5月から2023年にかけて「知っとこコーナー」・「善き牧者の学校」・「聖書の言葉の分かち合い」の連載を毎月書き続けました。
特に「知っとこコーナー」の~キリスト教の歴史~は、今日のカトリック教会を知る上でも、ぜひご一読いただきたい内容です。
https://tomoshibi.or.jp/christian_history/ayumi/
*機関紙「心のともしび」の編集者が交代するとともに会議を定期的に開き、複数の職員で話し合うようになりました。
これまで字体デザインやイラストなどの雰囲気は、編集長マクドナル神父のもとで受け継がれ、60年以上という長きにわたり読者にも親しまれていました。
しかしこの辺りで新しいテイストのデザインを・・と試行錯誤が始まり、2021年6月号から現在のデザイン・レイアウトになりました。
【2022年】
心のともしび運動70周年を迎えたこの年、本来なら「70周年記念感謝ミサ」をお捧げするはずでしたが、コロナ禍は一向に収まらず、記念行事は何もできないままでした。ラジオ放送で70周年の告知とともに、番組開始当初のテーマ音楽「メリメント」を放送しました。
機関紙は70周年記念号として、1月号・5月号・8月号で、東京大司教区・菊地功大司教、京都司教区・大塚喜直司教、長崎大司教区・中村倫明大司教 各司教様に記事を寄稿していただきました。
新型コロナウイルスの猛威は、2020年より静かに祈りの生活を送っていたマクドナル神父にも及び、2月に感染。入院治療で快方に向かったものの、再びの高熱により「感染性心膜炎」を発症、高齢により体力が消耗していたこともあり、3月30日に帰天されました。
葬儀ミサ・納骨式・翌年の1年祭にかけて、大塚喜直 京都教区司教主司式のもと、カトリック河原町教会で粛々と執り行い、マクドナル神父の永遠の安息を祈りました。
【2023年】
イエズス会からの派遣期間が3年の約束であったため、修道会へ戻ることに。
後任を、長年京都のカトリック校で教鞭をとり、校長職を務められた阿南孝也(あなみたかや)氏に託すこととなりました。
柗村神父の略歴