いのちへのまなざし

毎月のお便りイメージ

 ご復活祭の翌日に飛び込んできたニュースに皆さまもさぞ驚かれたことと思います。

 教皇フランシスコの帰天にあたり、教皇の永遠の安息を共に願い求めましょう。
  在任中は、教皇と呼称されることを望まず、すべての命に対して奉仕する姿勢を貫かれ、福音が伝える喜びを新鮮なものにしてくださいました。
  ローマ司教として勤めを果たされ、教会を新たな歩みへと導いてくださった教皇フランシスコに深く感謝し、その意思をさらに先へと繋げていけるよう祈ります。

 さて、「こどもの日」にあたり、家族を含めたすべての人間の繋がりによって輝く「いのち」について考えてみたいと思います。

 日本カトリック司教団による『いのちへのまなざし』(カトリック中央協議会発行)の「2001年版」と「2017年増補新版」の両方に、「家族」に言及した文章が掲載されています。

 私たち人間のほとんどは、家族の中に生まれ、家族の中で育ちます。家族は、いのちを包み、はぐくみ、支え、導く、愛であり力です。そこで人は、自分はかけがえのない大事な存在であることを確認すると同時に、愛する人のために生きるという生きがいを見いだします。

 2001年版には、続いて、家族を「港」に譬えた次のような美しい表現が見られました。

 「家族は、船乗りたちの疲れた心を潤し、憩わせ、彼らに明日に向けての希望を与える港のように、人生を旅する人間に、安らぎ、憩い、明日を生きる力を与えます」

 

 2017年増補新版には「さまざまな事情から、家族の中で育つことのできなかった子どもたち」や「子どもを望んでも授かることのない夫婦」について、さらに「脅かされる幼いいのち」「幼いいのちを守る取り組み」の項目が加えられ、「こうのとりのゆりかご」や「特別養子縁組」への言及がみられました。

  

 日本財団による「18歳意識調査」(日米英中韓印)2024年4月によりますと、「自分は他人から必要とされている」の項目で、日本は「そう思う」が57パーセント、他の5カ国はすべて70~80パーセントという結果でした。また「人生において大切にしたいと思っていることについて3つまで選択する」という調査では、日本は「自分の好きなことややりたいこと・趣味」が53%で1位、「家族」が44%で2位であったのに対して、他の5か国はすべて「家族」が1位で60~50%という結果でした。

 

 社会の変化が家族の在り方に影響を与え、多様化が進んでいることは否めません。だからこそ、家族を含めた「すべての人間の繋がり」は「あなたの存在が素晴らしい」「いのちはかけがえのない尊いもの」という大切なメッセージを伝える役割を担っていると確信しています。

 神にかたどって創造された、一人残らずすべてのいのちが輝く社会の実現を祈ります。

心のともしび運動 阿南孝也

 

 (教皇フランシスコ 参考リンク)

カトリック中央協議会 https://www.cbcj.catholic.jp/category/informatio/
https://www.cbcj.catholic.jp/2025/04/21/31935/
バチカンニュース https://www.vaticannews.va/ja.html