10月2日は「守護の天使」の記念日です。守護の天使とは、神が私たちを守り導くために、一人ひとりに遣わしてくださっている天使です。
天使"angel"の語源は、ギリシア語の「アンゲロス」で「使者、伝令」という意味の言葉です。神の意思を伝える天使の働きについて、聖書は詳しく伝えています。
聖母マリアへの受胎告知、羊飼いたちへの救い主誕生の知らせ、オリーブ山で苦しみもだえ祈られるイエスの力づけ、婦人たちへのイエスの復活の告知、ヘロデによって牢に繋がれたペトロの救出など、数多くの記述があります。
「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。」(マタイによる福音書18章10節)
続く12節からは「九九匹を残して一匹の迷い出た羊を探しに行く」たとえ話が語られています。神が私たち一人ひとりに守護の天使を派遣してくださる理由が「これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない(同14節)」からだとわかります。
一方で、人間には「自由意志」が与えられています。様々な誘惑に揺れる私たちに対して、天で父なる神の御顔を仰ぐことが許されている守護の天使たちは、神の御心に叶った生き方を選ぶよう、良心の声となって導いてくださるのです。守護の天使の存在を考えるとき、とことん私たち一人ひとりを大切に思ってくださる神の愛に応えたいという思いが沸いてきます。
マリアは大天使ガブリエルのお告げによって神の御子の母となることを知り、生涯を通じて御子を支え、十字架上の死に至るまで共に生き抜かれました。この世での使命を終えたマリアは、天使と共に天に昇られたと教会は宣言しています。
教皇フランシスコは「慈しみの大聖年」が終了した2017年1月、警護を務めた警官たちに「皆さんは聖ペトロ広場の守護の天使たちです」との感謝の言葉を述べられました。
守護の天使の記念日に当たって祈ります。私たちが聖母マリアに倣い、いつも天使に守られ、永遠の喜びに入ることができますように。 アーメン。
心のともしび運動 阿南孝也