「心のともしび」ホームページを訪れてくださる皆様へ
「師走」と呼ばれる12月になり、カトリック教会では「待降節」に入りました。
何かと気忙しい時期ですが、よく祈り、心を整えて御降誕のイエス様をお迎えしたいと思います。
次に「源氏物語」の主人公、光源氏の教育論に注目してみたいと思います(第二十一帖少女)。
光源氏と亡き妻である葵の上の子、夕霧が12歳で元服を迎えました。貴族の子である夕霧はすぐにでも高い身分につけることができたのですが、勉学を身につけさせるために六位という下級の官位に留めて大学に入学させたのです。まだ幼い夕霧を高い位からスタートさせると学問が疎かになり、後々痛い目にあうに違いないという光源氏の親心でした。六位以下は昇殿が許されていない下級の官位であり、着衣の色も、五位は浅緋、六位は深緑と決められていました。夕霧本人は不満に感じ悔しい思いをすることもありましたが、しっかりと学び、見事な成績を修めて昇進することができたというストーリーです。
紫式部の父親が長く六位に留まり官職に恵まれず苦労したことも小説に反映されていると思われます。我が子に敢えて苦労をさせるという、著者の教育論を見る思いがします。
「教育する」は英語で"educate"=「e(外へ)+ ducate(導く)」です。子どもたちが神様からいただいた様々な能力に気づき、それを引き出すことが教育であるとの考え方です。
ギフト"gift"は「贈り物」とともに「才能」という意味を持っています。 今年も「心のともしび」ホームページを訪れてくださいましてありがとうございました。
どうぞ佳いクリスマスと新年をお迎えください。
人々が傷つき苦しむ戦争が早く平和的に解決されますように、災害や犯罪がなくなりますように
祈りを込めて。
心のともしび運動 阿南孝也
*写真について*
紫式部の墓所(京都市北区)で、紫式部が生まれ育ち、晩年を過ごしたと伝わる場所にあります。
「ムラサキシキブ」:6月ごろに薄紫色の花を咲かせ、秋になると紫色の美しい実をつけることから、紫式部にちなんでこの名が付けられた日本原産の落葉低木です。