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ロウソクの灯り

毎月のお便りイメージ

 寒い毎日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 暦の上では、節分・立春・・・と徐々に春へと向かって、木々も少しずつ芽ぶきはじめていますね。

 さて、今月は「ロウソク」について、少し科学的な視点によるお話をご紹介します。

 19世紀イギリスの科学者ファラデーは、ロウソクの実験を通して、子どもたちに科学と人間との深い関わりについてわかりやすく語りました。

 「ロウソクが燃えるという身近な現象の中に、宇宙の法則が詰まっている」。
 不朽の名著である『ロウソクの科学』は世界中で読み継がれ、ノーベル賞受賞者の大隅良典氏(医学・生理学賞)や吉野彰氏(化学賞)をはじめ大勢の科学者たちが、この著作との出会いが学者を目指す契機となったと語っています。

 以下、「ロウソクが燃える」ときにどのような現象が起きているのか、簡単にまとめてみましょう。

 ロウソクは固体のロウ(炭素と水素でできている)と芯だけでできています。ロウソクをしばらく燃やしていると、芯の周りにくぼみができて、溶けたロウが溜まります(復活徹夜祭でロウソクの炎を隣の人に移すとき、火の付いたロウソクは傾けないで、火の付いていないロウソクを傾けるのは、液体のロウが床に落ちるのを防ぐためです)。

 *「毛細管現象」:炎の熱で液体となったロウは芯にしみ込んでのぼっていきます。(ぬれた体をタオルでふくと水分がタオルに移動するのと同じ現象です。)

 *「燃える(=酸化反応)」:芯をのぼって炎に近づいたために気体となったロウが空気中の酸素と化合して「二酸化炭素と水(高温なので水蒸気)」ができます。

 *炎の色:芯の近くは暗く、その外側に青い部分があり、上部はオレンジ色です。オレンジ色はロウに含まれている炭素が高温で熱せられて輝きだした色です。

 *炎の形:しずくのような形は、ロウソクの側面に生じた上昇気流によるものです。
 以上、いかがでしたでしょうか?

 何の変哲もないロウの固まりであっても、小さな芯を得て、その芯に火が灯されたならば、溶かされ、重力に逆らって登っていき、気化されて、暗闇にいる人々に光と温もりをもたらすものとなることができることをロウソクは教えてくれているのだと思います。

 「暗いと不平を言うよりもすすんであかりをつけましょう」

 私たち一人ひとりが「キリストの光をもたらす者」となることができますように。アーメン。

心のともしび運動 阿南孝也