「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

祈り合う

竹内 修一 神父

今日の心の糧イメージ

 週に一度、数人の学生と一緒に読書会を開いています。テキストは、『毎日の読書「教会の祈り」読書 第二朗読』です。これは、聖人や哲学者・神学者などの著作をはじめ、教会の公文書なども含まれていて、大変興味深いものです。翻訳も読みやすく、しかも、それぞれは2~3頁と短いので、読むのに時間はかかりません。そのぶん、内容をゆっくり味わうことができます。

 ある時から、学生の提案で、テキストを読む前に「教会の祈り」を唱えることになりました。それによって、読書は、一つの霊的読書となっています。

 「心を満たし満足させるのは、広い知識ではなく、ものを悟り、それを深く味わうこと〔である〕」ーーそう語ったのは、聖イグナチオ・ロヨラです。(『霊操』2)

 「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいる」(マタイ18・20)と、イエスは語られました。ですから私たちのささやかな読書会も、その中心には確かにイエスがいます。
 またパウロは、こう語ります。「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです」。(ローマ10・17)

 イエスの言葉――それをいっそう真っ直ぐな心で聴きたい、と思います。それによって、私たちの祈りは、より深くて穏やかなものとなるでしょう。また同時に、私たちは平和な人となり、社会も平和なものとなっていくでしょう。なぜなら、イエスは「平和の君」(イザヤ9・5)だからです。

 現在、世界の各地ではさまざまな紛争や戦争が起きています。それはそれぞれの国が、あるいはその国のリーダーが、相手の言葉を聴こうとしないからではないでしょうか。祈りの心を失っている、と言ってもいいかもしれません。