「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。
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(月~土)毎日お話が変わります。
坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。
12年の教皇職を全うされた教皇フランシスコが帰天されました。
2019年に長崎を訪れてくださった時、私は大司教館でお手伝いをしていましたので、教皇様が昼食を取られて、わずかの休憩の後、長崎県営野球場でのミサに行かれるのをお見送りする機会をいただきました。
教皇様はお見送りに並んだ私たち一人ひとりに祝福をくださいましたが、お疲れのご様子でした。でも、その後のミサでは力強いメッセージを発信され、神の人の偉大さを感じさせられたものでした。実際教皇様の来日スケジュールは超過密で、とても80歳を超えた方のものとは思えませんでした。
また今回、入院されてからも仕事をされていた様子をSNSなどで知るにつけ、教皇様を動かしておられる聖霊の働きを感じずにはいられませんでした。最後の最後までご自分に託された使命を果たされた教皇様のお姿は、私にとって偉大な模範です。
模範と言えば、教皇フランシスコはホームレスの人々を食事に招き、聖木曜日には刑務所に収監されている囚人の足を洗い、社会的に弱い人々を抱き寄せてくださっていました。
教皇フランシスコがこのようなことを最初になさった時、私はある意味でショックを受けました。福音の招きはありますが、実際にその通りにするためには乗り越えなければならない壁があることを、私たちは実際の生活でよく知っているからです。「理想はそうだけど」という言葉で表される現実です。
教皇フランシスコは、常識に囚われることなく、キリスト者としてなすべきことを当然のこととして実践されました。
私たちの年齢や「常識」が、イエスの弟子としての行動を制限することはないということを教えてくださったのです。