「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。
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(月~土)毎日お話が変わります。
坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。
「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」(創世記1・31)
旧約聖書の天地創造物語の一節です。神は、創られた世界のすべてを見渡して満足されたのです。私たち人間の一人ひとり、あるいは個々の存在・いのちは、神に望まれ愛され見守られて、全体として最高のものなのです。言い換えるなら、この世に存在するいのちは、必ずこの世界に居場所がある...お互いに調和し、それぞれに居心地よく、支え合い大切にすべき存在であるということです。
なかでも、神は人間を神の似姿とし、「産めよ、増えよ、地に満ちよ」と特別な祝福を与えられました。神の協力者として、この世界を良いものとして保全し、神のいのちの創造の
しかし、今の世界の現実は、あちこちで人々が互いに争い合い、戦争や紛争が起こり、避難を余儀なくされ、いのちさえ脅かされている多くの人々がいます。自然や地球環境も破壊の一途を辿っています。
近年、人間の生活圏でのクマの出没や人身被害のニュース等も度々聞かれるようになりました。これは気候変動も一つの原因だと言われていますが、本来クマは、人の居住地に来ずとも、クマの生息地で十分な食料を得ることができ、人間とクマは健康的な住み分けができるはずなのです。それにもかかわらず、人間側の都合で、森林開発や都市化が進みクマの居場所が狭くなったとも考えられていました。
前教皇フランシスコは、この地球を「ともに暮らす家」と呼ばれます。*
人間のみならず、被造界のすべてのいのちの居場所、共存という課題に真摯に向き合うよう突きつけられているのです。
*(回勅「ラウダート・シ」)