クリスマスのメッセージ

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 待ちに待ったクリスマス。今年も段々にクリスマスが近づいてくると、街のあちこちからクリスマスソングが流れてきます。そして沢山の店ではクリスマス用の飾りつけがなされ、サンタクロースに似た格好をした店員さん方が出迎えてくれるところも。

 クリスマス...サンタが良い子どもにプレゼントを持って来るお祝いではありませんね。クリスマスは、イエス・キリストの誕生をお祝いする日です。この世界をお創りになられた目に見えない神様が、私たち、私たちの世界に、ご自分の愛する子を目に見える幼子として遣わして下さった、そのイエスの誕生の祝いです。

 私たちは人からプレゼントをいただくと、たとえどんな小さくても嬉しく感じるのではないでしょうか。そして心が籠っていれば、嬉しさは、何倍にも大きなものになりますね。神様は大切な大切な御自分の独り子を、マリア様を通して、私たちにお与えになりました。お母さんのマリア様、養父のヨゼフ様に赤ちゃんという形で託されたのです。

 聖なる夜にお生まれになる「イエス」に目を注ぎましょう。それは目に見えない神様が、私たちを愛しているという「しるし」。私たちとともにおられる、ともにいて下さるという大きな「しるし」です。

 音楽に耳を傾け、イルミネーションに目を留め、プレゼントを下さった大切な人のことを想うのも、クリスマスの過ごし方の一つでしょう。でも今年のクリスマス、神様が私たちを愛している「しるし」としてイエスを遣わされた想いを受け止め、思い巡らして過ごしてはいかがでしょうか。

 目に見えなくても耳には聞こえなくても、神様と心を通わせる、想いを交わす...そんな神との出会いがあなたを待っているかも知れません。

クリスマスのメッセージ

三宮 麻由子

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 ヴィッキー・ディレニーが書いた、アメリカのライトミステリー、「クリスマスも営業中?」の一節に、はっとしました。

 この本では、一年中クリスマスを演出して商店街を活性化しているのどかな町で、突然事件が起きます。クリスマスで町おこしという点で一致しているはずの住民たちの間に漣が立ち、ストーリーが展開します。

 その中で、語り手の主人公が問いかけるのです。クリスマスを商業だけに利用することはたしかに良くないけれど、それなら飾りつけもしないでクリスマスを過ごすことが私たちにできるか、と。

 この町は、クリスマスを商業に活用してはいても、背後にイエスの誕生を大切に思う精神がしっかり存在しています。手作りの飾り物やケーキを売って、世界の人たちにクリスマスの喜びを味わってもらうことも、この町にとっては祝いのスタイルだと分かります。お店毎に心を込めた小品やご馳走を用意している町の人たちを描くことで、作者はクリスマスの精神を表現しているのでしょう。そして、精神面を大切にしているからこそ、町を挙げてクリスマスが演出できるのだと言っている気がしました。

 クリスマスの過度な商業化には疑問があります。でもこの本を読んで私は、イエスの誕生を大切に思う心をきちんと持っていれば、クリスマスとの向き合い方はさまざまあっていいのではないかと思いました。美しい音楽と祝いの雰囲気の中で人と触れ合うことや、苦しむ人々と深い時間を分かち合うことなど、教会の外でもクリスマスへの思いは色々な形で表現されます。

 現代は多様性の時代です。色んな形で祝われながら、教会の中だけでなく、外の世界でも大切にされてこそ、クリスマスは「本物」になるのではないでしょうか。


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