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『今日の』祈り

橋本 勲 神父

今日の心の糧イメージ

 こんにちは。毎日交わすこの挨拶のことばに意味の詮索など無用なのかもしれません。挨拶のことばはそれだけで人々を繋ぎ、安らぎをあたえてくれるからです。

 ただ、それだけに、どうしてこんなことばが人々の口に上るようになったのだろう。そんな想いが湧いてくるのも事実です。

 それほど、このことばは奥深いものを含んでいるということでもあります。

 多分その意味は、今日という日があなたにとって良い日でありますようにという願いが込められたことばだと思います。

 そうすると、これは挨拶でありながら、祈りでもあるということになります。

 英語という海の向こうのことばでは、グッドモーニング、グッドアフタヌーンという挨拶のことばがあります。

 このグッドということばはゴッドつまり神さまを意味することばから来ているということです。

 そうすると、日本でも外国でも自然な形で人々は祈りを交わすことを昔から知っていたということになります。

 こんなことを言うと、カトリック信者のある方々は、信者でもない人々が祈りを知っているはずがないと言われるかもしれません。祈りの本を見たこともないのにと。

 それでは、もう一つの奇妙な挨拶のことば、「おはようございます」はどうでしょう。お早いですね。一体何がお早いのでしょうか。

 それは多分、もうお目覚めになったのですか、お早いですね、という意味ではないでしょうか。

 そしてさらにそれはもっと奥深いものへの目覚め、人間本来の目覚め、さらに神の恵みへの目覚めへと繋がるとしたら、これはもう単なる挨拶を通り越して、りっぱな人類共通の祈りということになりましょう。