このあとイスラエルは大干ばつとなり、エリヤとバアルの預言者らの間に、互いの神の名を呼んで、薪の上にのせた雄牛一頭を焼き尽くして貰うという試合が行われるほどになりました。
「バアルの預言者たちは朝から昼まで必死になって大声で呼ばわってみても、何の兆候もなかった。しかしエリヤが、アブラハムの神、イスラエルの神よ、この民はあなたの民であることを知るでしょうと祈ると、主の火が降って、焼き尽くす捧げ物をなめ尽くした」とあります。
そして天候が急変し、激しい雨となりました。ふつうならエリヤは功労者となるところでしょうが、バアル心酔者である王妃はまだエリヤの命を狙っていました。
「逃亡し、ホレブに着いたエリヤの前を激しい風が吹き、岩をも砕くほどだったがその中に主はおられなかった。次に激しい地震と火、そこにも主はおられなかった。火の後、そよ風のように静かにささやく声が聞こえた。それが主のみ言葉だった。」(同19・12)
静かな神・・ここから私は好きなみ言葉として、「心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない」(マタイ18・3)との主イエスのお言葉をあげておきたいと思います。
いよいよコンクールが始まりました。ピアノとバイオリンの演奏、合唱と手話での表現、リコーダーの演奏。プロ、アマ入り乱れての競争です。やがて大沼中学校が登場しました。学生服とセーラー服の16名です。「千の風になって」を歌い終わると群読が始まりました。群読とは、詩や文章を大勢が分担しながら朗読することです。
「私たちが住む大沼は、人口は2000人、牛は15000頭です。スタバもマックもありません。でも、上を見上げればどこまでも青い空、雄大な自然とゆっくりと流れる時間があります。何より、いつも千の風が吹き渡っています。」
観客全員から大きな拍手が響き渡りました。住んでいる大沼を愛している、誇りに思っていることをひたむきに伝えようとしたその姿に、感動したのです。そして、コンクールの最高賞、千の風賞を受賞したのでした。
そのニュースを聞いた私は、私の好きなみ言葉、「あなたがたは世の光である」(マタイ5・14)を思い出しました。Yさんをはじめ友人知人に知らせました。すると、「良かったね」皆一様に笑顔になるのです。大沼中学校の受賞は、積雪1メートル、暗くて寒い大沼の人々に、あかりを灯してくれました。世の光になったのです。