海外の大学への進学に際して、高校での学業成績の提出が要求されるようです。卒業から数年を経て、毎年何人もの卒業生から英文の成績証明書の発行依頼が届きます。卒業生たちが、新たな挑戦をしようと歩み始めていることを嬉しく思いながら、一枚一枚の成績証明書に、校長名のサインをしています。
留学を希望する卒業生たちのことです。高校在学中から英語の成績が良好だった生徒が多いのは確かです。ところが、語学が苦手でやっとのことで単位を取得し卒業した生徒も珍しくないのです。そのような時、驚きと嬉しさが込み上げてきます。彼らは大学の4年の間に、どのような経験や出会いを得たのでしょうか。語学習得にも目覚め、海外という新しい環境に身を置く決意をした彼らに敬意を払い、成功を祈りながらサインをします。
子どもたちが神からいただいた賜物に気づき、磨き伸ばすよう導くことは大人の大切な役割です。高校在学中には気づかせてあげることができなかったかもしれませんが、卒業後の飛躍の土台作りに少しでも関わることができたとすれば、教師冥利に尽きるというものです。
愛そのものである神をイエス・キリストは「天の父」と呼んで、人々に分かりやすく例え話でその愛を話し、また病人を癒して神の愛と力、憐れみを伝えました。イエスの救いの言葉や行なった奇跡の数々、十字架での死と復活、聖霊降臨とその後の弟子たちの働きなどを聖書で知れば知るほど、神への信頼とイエスへの愛が深まって恐れや不安が消え、私は明るく自由な気持ちで積極的に生きられるようになりました。
そんな折も折、ハヤット神父様から「ラジオ・心のともしび」への執筆を依頼されました。4人の子育て真っ最中の主婦の私には無理だと思いましたが、神父様の熱意にほだされてお引き受けしました。それ以来、毎月いただくテーマと格闘しています。何度も止めたいと思いましたが、神父様の福音宣教への情熱が私を押しとどめました。そして、家事の合間にテーマを思い巡らす中で、日常の中に小さな幸せをもたらす神の愛の働きに気づき、その喜びと感動をラジオを聴いて下さる方と分かち合えるのが嬉しくて38年間書き続けています。いつも共に働いて下さる神に感謝です。