「進さんは、太平洋上で戦艦に突入して戦死した」という手紙が進さんの父親に届いたのだそうだ。
私が女子大の寮に入っていたときのこと、それまでは祖母の側にいたので、私に手紙が来ることはなかったが、寮には祖母から毎週手紙が届いた。祖母の手紙を読むのは初めてだった。それは、毎回7~8枚の長い手紙だった。
手紙の中で印象に残っているのは、進さんの死を書いた手紙だった。何かとても強烈な感じを受けたが、祖母が弟を想う本心だったのだろう。
「真っ赤な夕陽が沈む頃、進は飛行機を柩として敵の軍艦に体当たりをして、海を墓場として死んだ」という内容の手紙だった。
戦争は、敵も見方も、若者や多くの人の命を奪ってしまう。
さて、祖母は私に、夕暮れの海に太陽が沈む写真を、帰省するときに買ってきてほしいと言った。私はポスターを探しに行った。夕暮れの海に最後の輝きを放って太陽が沈むような写真を探して、祖母に渡した。祖母はそのポスターを壁に貼り、毎日、見つめていた。なぜなのだろう?
今頃になって祖母の気持ちに気づいた。祖母は海で弟の進さんと繋がりたかったのだ。
海の星のマリアさまに「平和」を祈ろうと思った。
貧しい国々は、そもそも地球温暖化の原因をほとんど出していないにもかかわらず、最も大きな被害を被っています。多くの地域でおびただしい数の人々が貧困に陥り、子どもたちは学校にも通えなくなっています。異常気象は、単に災害をもたらすだけではなく、世界中の地域の貧困をさらに深刻化させているのです。つまるところ、目先の利益に囚われ、地球温暖化によって最も貧しい人々が被る代償を視野に入れない、世界の全体像を見ようとせず、それどころか、全体像を歪める、人間のエゴイズムが原因となっていることがわかります。
このように、世界の様々な現状を分析すると、いろいろな問題が互いに絡み合って、結局、私たち、人間のあり方に結びついていることに気付かされます。
私たちは、もう1度、本来の人間同士の「つながり」、調和しながら生きるようにと与えられた人間の尊厳を自覚し、世界のあらゆる被造物との「つながり」を取り戻したいものです。