2017年11月20日の心の糧


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繋がり

橋本 勲 神父

今日の心の糧イメージ 近付けば危険、接すれば事故となります。これは車の話です。

人間はお近付きになれば喜びであり、接すればいよいよ親しくなります。人間の接触を車が遠ざけるとすれば、これは車社会のジレンマということになります。

車は車、人間は人間。人間同士仲良く接し、潤いのある社会を造っていくことができればこんなすばらしいことはありません。

ところが、車のせいだけではないのかもしれませんが、現代社会は人間の繋がりが薄くなったと言われています。

そのせいなのか、家庭内暴力などの事件が起こると、あんなに仲のいい家族だったのにどうして、とか、おとなしくいい子だったのになぜ、と言って、人々は不思議がります。

車だけのせいではないのかもしれませんが、人間の間の繋がりが次第に薄くなり、人間の中のいのちの温度が下がってきて、車ではないのに、運転の間違いが起こってしまったのではないでしょうか。

ヤマアラシジレンマということばがあります。

2匹のヤマアラシが、寒いので近付いて互いに温め合おうとすると、体に纏った針が突き刺さって痛い、痛いので遠ざかると寒い、こうして、少しずつちょうどいいいのちの距離を学んでいくのだというわけです。人間も、間がキチッととしていなければ、いのちの温度が保てないのです。

現代の人間はいのちの距離探しに成功しつつあるのでしょうか。それとも失敗したのでしょうか。

車は現代の便利な社会のスターです。どれほど人間に役立っているか、計り知れないものがあります。その車が同時に人間自身を破壊しているなどと考えたくもありません。

何とかして、車と同様、いのちの運転技術を磨き上げたいものです。