評価する

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

人を評価するとき、自分の見方を変えると、その人の良いところが見えてくることがあります。

たとえば、仕事に時間のかかる人は、他人より「のろま」に見えます。でも、その人は、ひとつひとつ心をこめて「ていねい」にしているのかもしれません。

「失敗ばかり」の人はダメに思われがちです。でも、失敗を恐れずに「たくさんチャレンジをしている」勇敢な人かもしれません。

おしゃべりというより、話題が豊富。消極的というより、冷静沈着。協調性がないというより、自立心が強い。

 

短所も見方によっては、長所になるのです。

私には、ある人の評価で救われた思いになった経験があります。

大学生のとき、教育実習の授業で大失敗しました。45分の内容の授業を、90分かけても終わらせられなかったのです。

その後の授業批評会で、先生方や実習生20人くらいから散々批判されました。「時間を守らないとダメだ」「見通しが甘い」など、すべてその通りなので、私はただ小さく縮こまるしかありませんでした。しかし、その中で一人だけ、別の見方をしてくださった先生がいらしたのです。

「時間がかかったのは、中井君が子どもの発表を最後まで聞いていたからです。教師になっても、子どもの話をよく聞いてあげてください」。この先生は、私の失敗を批判することなく、本人も思っていなかった良い点を見つけて評価してくださったのです。

聖書には、「あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる」とあります。(マタイ7・1)

人を裁けば裁かれ、ゆるせばゆるされます。

私も人を評価しなければならないときには、慈しみの心をもってできればと願っています。

評価する

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ

夏になると教会では、子供達の夏のキャンプがあります。その時私は、リーダー達にお願いして、日間MVPの表彰を恒例にしたことがあります。その日のとても印象的な子供に翌日の朝食の時、皆の前で表彰するのです。

MVPは、普通、目立って、素晴らしい行いをしたことだと思ってしまうのですが、わたしたちの日間MVPは、あえて、その日最も目立たなかった子供のユニークなところを見つけ出し、それを表彰するのです。だから、子供達はこの賞を与えられることが判ったとたん、目立たない友達の行動に眼差しを向け始めました。

例えば、余り声を出さない子供に「あなたは、声をかけた人に、素晴らしいほほえみで対応したで賞」、食が遅くて、余り食べない子供に「好きなものだけはしっかり食べたで賞」、そして、こつこつと掃除をまじめにやってくれた子供に「あなたの隠れたところを掃除する力は天下一で賞」などです。

この日間MVPを特に導入したのには訳があります。目立つということが脚光を浴び、それがただ一つの価値であるような雰囲気がそのときの社会にあったのです。1人1人のユニークさは、十把一絡げの評価ではなく、その人に向けた独自の基準があってもよいのではないか、そうでないと、子供達は知らないうちに枠にはめられてしまうのでは、と考えたからです。

この時のリーダー達も大賛成で、子供達も、この不思議なMVPを受け入れ、今日は誰がもらうのだろうと、わくわく顔でした。

皆が一緒になって、子供達の隠された個性を浮かび上がらせる、素晴らしい夏のキャンプとなりました。


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