クリスマスに学ぶ

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

クリスマスと言えば、アメリカで暮らした数年間のクリスマスの情景が心になつかしく甦ります。行きずりの人までが笑顔を見せて、互いの心の扉が開かれた気分になり、それが会う人毎に増幅されて何とも言えない暖かいクリスマスムードが醸し出されてゆくのです。

街中でもクリスマスキャロルを歌う一団の合唱に買い物客も立ち止まり、声を合わせて歌っています。「人類は皆兄弟、互いに愛し合いなさい」というキリストの愛の言葉が、クリスマス毎に人々の胸に新しく甦るからでしょうか。

夜ともなれば家々の窓からツリーの灯りが見え、市役所も建物全体がイルミネーションで光り輝きます。入り口には馬小屋と聖母子像が飾られています。

それにしても、人々がこんなにもその誕生を喜び祝う「尊いお方」が、貧しい馬小屋で生まれた無心な幼子とは・・・。神のなさることは意表を突いて不思議です。

聖書にはこの幼子の誕生にまつわる不思議な記述があります。

「・・・天使のお告げを受け入れて神のみ子を宿した乙女マリア。同じく夢で天使に諭されて彼女を妻としたヨゼフ。旅先の馬小屋で出産し、幼子を飼い葉桶に寝かせると、天使の大群が現われて『天には神に栄光!地には善意の人に平和あれ!』と祝福の大合唱が起こった。それを見た羊飼いたちが駆けつけて礼拝した。東の国の3人の王たちも不思議な星に導かれてその幼子を『救い主』として礼拝し、宝ものを捧げた・・・。」

「世の常識を超えたこんな非科学的な話をあなたは信じるの?」と聞く人もいます。しかし私は「全て人類を救わんとする神の愛のご計画によるみ業なのだ」と信じています。しかしうまく説明できません。

多分一生かけて問い続けて学びたい神の愛のみ業です。

クリスマスに学ぶ

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

今年もまた、クリスマスがやって来ます。クリスマスを待ち望む周りの雰囲気にのせられて、何かしらわくわくした楽しい気持ちになってしまうのですが、恋人がいない人たち、家族のいない人たちにとって、クリスマスは寂しく、少し残酷な季節のようです。

しかしながら、これは、1つの真理を私たちに教えてくれています。それは、人は1人ぼっちでは生きていけない、ということです。プレゼントをあげたり、もらったりするためには、相手が必要です。また、楽しい気持ちを分かち合うためにも、相手が必要です。1人ぼっちではクリスマスを本当に心から祝うことが難しいのです。

言い換えると、クリスマスは、人間とはお互いに支え合い、助け合って共に生きていくものだ、ということを教えてくれているのだと思います。

加えて、クリスマスは、与えることの大切さをも教えてくれています。誰かのことを思いながら、時間を使い、知恵を絞ってプレゼントを選びます。受け取る人が一番喜ぶものを考えて、時間を過ごします。クリスマスとはそんな季節でもあるのです。

クリスマスは実に不思議なひとときです。忙しい日常の中にあっても、誰かのことを思い、誰かのために何かをしていくことができるひとときです。また、不思議とわくわくした気持ちに変えられていくひとときでもあります。クリスマスは1人ひとりを変えていく季節なのです。

神さまがこの世にお生まれになった、それも最も小さな赤ちゃんとして、この世にお生まれになった。神さまからの人類への大きなプレゼントとして救い主キリストを与えてくださった。このようなことを知らない人でも、クリスマスは私たち一人ひとりを変え、人間の本当の姿に気付かせてくれる不思議な季節なのです。


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