真の強さ
今井 美沙子
二千年前にこの地球上で暮らされたイエス、マリア、ヨゼフさまの聖家族が、現在も私たちを助け励ましてくださっておられる。
それは真の強さがあるからだと私は思う。
まず、マリアさま。受胎告知の時に、天使に告げられると、一瞬も躊躇することなく「仰せの如く我になれかし」とすぐに受け入れられた。
神様に従う最上の謙遜だと思う。真の強さだと思う。
普通の人間なら「とんでもございません、わたしなど、とてもとても・・・」と辞退するであろう。
しかし、マリアさまは神さまの仰せであれば、何一つ間違いはないだろうと信じ、すぐに受け入れた。
イエスさまが誕生し、ヘロデ王の迫害から逃れてエジプトへ向かった時には、ヨゼフさまが自分の持てる限りの力を尽くして、マリアさまとイエスさまを守られた。
ヨゼフさまに真の強さが備わっていたからだと私は思う。
戦争などで難民が多くなる現代、この聖家族の姿はひとつの指標になるのではないかと思われる。
そして、極め付けはイエスさまの十字架上の死である。
その時にマリアさまも群衆の中におられて、一部始終を見届けられた。
いつくしんで育てた我が子の残酷な姿を失神もせずに見届けられたのである。
これ以上の真の強さがあろうか。
私も歳を重ね老人になり、眠りが浅くなってきてしまった。
夜中に目が冴えて眠れない時、聖家族の姿を黙想する。すると、どんな困難にも耐えうる力をいただけたような気がする。