第116課　エルサレムでの出現（ヨハネ 20・19～29）

　復活なさったイエズス様は日曜日の朝、ご自分の墓の前でマグダラのマリアに、また、その午後エマオの村で２人の弟子たちにお現われになりましたが、同じ日の夜にはエルサレムで弟子たちが集まっている家にご出現なさいました。

　そこで弟子たちはイエズス様の反対者を恐れてすべての戸に鍵をかけていましたが、突然イエズス様が彼らの真ん中にお現われになり、「あなたたちに平安があるように」とおっしゃいました。弟子たちはイエズス様を見て大変喜びましたが、イエズス様は「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたたちを遣わす」と言われ、彼らに息を吹きかけられて、「聖霊を受けなさい。だれの罪であれ、あなたたちが赦せば、その罪は赦され、赦さないでおくなら、赦されないままである」とおっしやいました。

　その時、１２人の弟子の１人、トマスはその場にいませんでした。あとでイエズス様を見たことを弟子たちが彼に知らせましたが、トマスは「わたしはその手に釘の跡を見、自分の指をその釘の跡に入れてみなければ、また、自分の手をそのわき腹に入れてみなければ、決して信じない」と、言いました。

　ちょうど一週間あとの日曜日、同じ家で、トマスが他の弟子たちと一緒にいるとき、やはりすべての戸に鍵がかかっていたにもかかわらず、イエズス様は、もう一度弟子たちの真ん中にお立ちになりました。そして「あなたたちに平安があるように」と言われてから、ご自分の手とわき腹の傷をお見せになって、トマスに「指をここに持ってきて、わたしの手を調べなさい。手を伸ばして、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい」とおっしゃいました。

　トマスは驚いて「わたしの主、わたしの神」と言いましたが、イエズス様は「あなたは、わたしを見たから信じたのか。見ないで信じる人たちは幸いである」とおっしゃいました。

（つづく）