第115課 エマオでの出現(ルカ 24・13~35)

 イエズス様が復活なさった日曜日の午後、二人の弟子は、イエズス様の死を悲しみながら、エルサレムから11キロぐらい離れたエマオという村へ向かって歩いていました。そこでイエズス様は彼らに近づかれて、一緒に歩き始められましたが、二人はイエズス様であることに気がつきませんでした。

 イエズス様が「あなたがたが歩きながら語り合っているその話はなんの事ですか」とお尋ねになると、二人は「ナザレのイエズスのことです。このかたは神とすべての民の前で、行ないにも、言葉にも力のある預言者でした。それなのに、われわれの大祭司や議員たちが、このかたを死刑にするために引き渡し、そして十字架につけてしまったのです。わたしたちは、イスラエルをあがなってくださるのは、このかただと望みをかけていました」と言いました。

 するとイエズス様は「ものわかりの悪い者、預言者たちが語ったすべての事を信じるには心の鈍い者たち、メシア(救い主)は、必ずこのような苦しみを受けて後、その栄光に入るはずではなかったか」とおっしゃいました。そして旧約聖書に書かれているご自分の多くの預言をくわしく説明なさいました。

 三人がエマオに近づいた時、イエズス様は先へ行かれるようなご様子でしたが、二人は「いっしょにお泊まりください。もう、そろそろ夕刻になりますし、日もはや傾いています」と言いました。イエズス様は彼らと一緒に家に入られて、食卓につかれました。パンを取り、賛美をささげて、パンを手で分け、それを二人にお渡しになりました。すると二人の目が開かれ、その方がイエズス様だと気がついた時、それと同時に、イエズス様はお姿をお消しになりました。

 二人は大喜びで「あのかたが道々わたしたちに話しかけ、また、聖書を説き明かされたとき、わたしたちの心は内で燃えていたではないか」と互いに話し合いました。

(つづく)