第95課 仮庵の祭り(ヨハネ 7・1~52)

 イエズス様は仮庵の祭りの最中にエルサレムにお入りになりました。今迄話してきましたように、イエズス様が公の生活を始められた時から、ファリサイ派の人たちは度々イエズス様をいじめましたが、この仮庵の祭りの時に彼らとイエズス様との間の最終的な対立が始まりました。その時、既にファリサイ派の人たちはイエズス様を殺すことを決めていました。

 イエズス様が神殿で教え始められると、或る人々が、イエズス様は専門的な勉強をしたことがないので教える資格がない、と言いました。するとイエズス様は、人から習ったことではなく神様の教えを直接述べているのであると説明なさいました。そして、ご自分を信じる人々は「生きる水」を受けるであろうとおっしゃいました。この「生きる水」とは神様から与えられる「霊」のことであると聖書に書かれています。

 イエズス様の話を聞いている人たちの中の或る人々は「あなたは悪魔に取り付かれている」と言いましたが、多くの人々はイエズス様を信じて「メシア(救い主)が来られても、この人が行なったよりも多くのしるしを行なわれるだろうか」と言いました。或る人々は「この人は本当にあの預言者だ」と、言い、また、或る人々は「この人はメシアだ」と言いました。

 ファリサイ派の人たちやイスラエル人の頭たちはこのことを聞いて腹をたて、イエズス様を逮捕するため下役の人たちを神殿へ送りました。そこで下役の人たちは神殿で群衆と一緒にイエズス様の話を聞くうちに、あまりにも感動してイエズス様に手をかけることができませんでした。

 下役の人たちがファリサイ派の人々や、頭たちのところへ戻って来ますと、彼らは「どうしてあの男を引っ張って来なかったのか」と問いただしました。しかし下役の人たちはただ「あの人のように話した人は今までいません」と答えるだけでした。

(つづく)