第91課 エリコのバルテマイ(マルコ 10・46~52)

 イエズス様はペレアの国を出てヨルダン川をお渡りになり、エリコの町へ向かわれました。イエズス様がエリコに近づかれた時、バルテマイという目の見えない人が道端に座って物乞いをしていました。その時、大勢の群衆が通りかかるのに気づいて、彼はこれは何事ですかと尋ねました。人々がイエズス様がおいでになったと告げますと、バルテマイは「ダビデの子イエズスさま、わたくしをあわれんでください」と叫びました。

 イエズス様と一緒に歩いている群衆の先頭が彼を黙らせようとしましたが、バルテマイは「ダビデの子、あわれんでください」と叫び続けました。

 イエズス様は彼の声をお聞きになって、バルテマイをご自分のもとに連れてくるようにお命じになり、そして「何をわたしにしてもらいたいのか」とバルテマイにお尋ねになりました。バルテマイが「先生、見えるようにしてください」と言うと、イエズス様は「よし、あなたの信仰があなたを救った」とおっしゃいました。すると、バルテマイの目はたちどころに見えるようになりました。

 バルテマイが言った言葉は私たちが皆、繰り返して祈らねばならない言葉だと思います。彼は目が見えないので「見えるようにしてください」とイエズス様に頼みました。私たちは肉眼でものを見ることができても、心の目でなければ霊的な真理を悟ることができませんので、精神的な意味で、バルテマイのように「見えるようにしてください」と祈るべきです。

 バルテマイは肉眼でものを見ることができませんでしたが、心の目で霊的な真理をはっきりと見ることができましたので、イエズス様を救い主として認めていました。彼はその信仰を証したことによって、目がいやされたばかりでなく精神的にも救われました。私たちも永遠の救いを得るために、彼と同じように心の目で真理をはっきりと見ることができるように祈るべきです。

(つづく)